この映画は12年間に渡って同じキャストを撮り続けた作品である。

映画とは基本的に人とお金と時間で作り上げられるが、その比率が他の映画とは大きく異なり、時間という一番手間の掛かるものを費やした作品である。

個人的にこの作品で好きなのは主人公の父親である。妻に逃げられたダメな父親という設定だが、この映画に出てくる父親の中では一番良い父親であると同時に理想の父親でもある。

息子と娘とのコミュニケーションを大事にして、性教育もしっかりと行い、息子とのキャンプでは、いかにもアメリカらしいというか、一緒にふざけあったり、スターウォーズの続編を作るとしたらどういう展開にするかを息子と真面目に語りあうお父さんは観ていて微笑ましく感じる。


「人生においての一瞬」

12年間という歳月で撮り続けたこの映画のラストで主人公と女の子が語り合うシーンがある。

「みんなは一瞬を逃すなというけれど、
一瞬は決して私たちを逃さない。」

私はこれを聞いた時まさに目から鱗だった。
時間は絶え間なく流れ続け、一瞬の積み重ねが人生であるということ。

大切な一瞬を捉えるために待つことや、チャンスを伺うことをしていてはダメなような気がした。

例えるなら人生とは虫取り網のようなものを持ちながら走るということである。
無我夢中に走っていると気付いたら何か網の中に入っている。

私が子供から大人になった時に見た虫網の中には数えきれないくらい大切なものや辛かったものが入っていたような気がする。

そして今、また虫取り網を持って走り出すために重い腰を上げてみようと思う。





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