4時起床。
芯の残ったお粥を(それはもはやお粥ではない)胃袋に無理矢理流し込む。
身体はバキバキの筋肉痛!、と思いきやこれが意外と無いもんだから「俺ってなんか気持ち悪っ!」と自分でも思ってしまう。
一体どういう構造してるんだ、俺の身体。
ちなみに前回の北岳登山では日曜日に日帰りしたが、木曜日までバリバリ筋肉痛だった。
それで慣れたんかな?
6時、鳳凰小屋を出発。
急坂をゆっくり登ってく。
筋肉に痛みはないが身体は重い。
ザックも重い。
6時40分、地蔵岳のオベリスク目前。
にしても今日も良い天気だな。
オベリスク
あわよくば登ってみたいと思い、オベリスクの周囲を一周。
クラック部分に古い鎖が垂れ下がっていたが、それが上部まで続いてるわけでもなく、それでは上までは登れない。
クライミング経験者でクラックが得意な人ならフリーでも登れると思う。
あとはカムという道具を使って登るか。
自分はクラックはやったこと無いし、カムも持ってないので(そもそもカムを使ったクライミング経験もない)ので潔く諦めた。
オベリスクと富士山。
左に甲斐駒、右に八ヶ岳
雲海も良いね~♪
9時10分、高嶺
オベリスクで長いこと遊んでしまったため、こんな時間に。
振り替えれば富士がいる。
ここら辺は稜線上でも木々に覆われているところが多く、陽射しが遮られているので歩きやすい。
南アルプスは北アルプスより森林限界が高いのかな?
12時40分、早川尾根小屋到着。
んっ!?有人小屋かと思ってたけど誰もいない。
たしか2011年の雑誌には有人小屋と記載されていたような~、ってさすがに情報古すぎたか...。
当初の南アルプス北部大縦走計画は昨日の時点で頓挫してしまっているので、正直今日はやる気も元気も全く無くこの小屋で泊まろうと考えゆっくり歩いてきた。
そして事件は起きるのである。
偶然にもその現場(奥に見えるトイレ)をカメラに収めていた↓
ちょっと汚い話しになるので知りたくない方はここは飛ばして読んでくださいm(_ _)m
便意を催した俺はトイレへ向かい中を覗く。
そこは古式ゆかしきボットン便所。
しかも今時には珍しい野に放たれるタイプだった。
ブツにはハエが集ってブンブン言っている。
正直躊躇はしたが「しない」という選択肢は無いので覚悟を決めた。
ザックからトイレットペーパーを取り出し
(画像拝借)
それを首から下げて再びトイレへ。
ズボンの片足だけ脱ぎたいので(超リアルですいません)靴紐を緩めようとし前屈みになったその刹那、トイレットペーパーホルダーを繋ぐ片方の紐がハラリと解れ、「あっ!」と思った瞬間そのまま人様のウ○コへ真っ逆さま。
「えっー!?嘘だろー!」(現場で実際に言ってます、結構な音量で)
呆然。
もうなんなんだろ。
怒りっていうか、悲しさっていうか、無力感っていうかさぁ...
でも、冷静に考えるとあのトイレットペーパーは今後も必要な訳だ。
トイレで使うこともあれば食器を拭くこともある(キッチンペーパー忘れたから)。
何とか救出できないかと。
上からよく見ると、中のトイレットペーパーはウ○コ地獄にはまっておらず触れてもいなさそう。
拾い上げたら中から取り出して使えるのでは。
となったら、救出作戦開始。
トイレの中には便器とは別にトイレットペーパーを捨てるための筒(ダクト)があり、そこに紙が詰まった時に突っつくための長い棒が置いてあった。
長さは充分、これで吊り上げられれば。
まずは棒の持ち手を確認。
突っつく側を持つのは汚いから。
棒を手に持ち便器の中へ(下へ)。
紐に上手いこと引っ掛けそーっとそーっと持ち上げる。
便器の高さを越えたがここで落とす訳にはいかないので、あくまで慎重にゆっくり旋回。
これでもう便器の中に再び落ちることは無くなった。
まだ上手いこと引っ掛かってるので、扉を開けトイレの外へポトリと落とした。
とりあえず救出成功。
中のトイレットペーパーを取り出すと若干何様が付いてらしたので、そこだけ削り取った。
トイレットペーパーホルダーをそのまま捨てるわけにはいかないので、余ったジップロックに入れ自分のごみ袋の中へ。
これでまだ縦走を続けられるという安堵感。
って、なんなんだこの時間!
もう、なんなんすかね~、怒りなんすかね~。
「ここには居れない!」と思いまして、泊まるのは止めて先へ進むことに。
この時すでに13時。
この先の仙水小屋まであと5時間半。
到着時間は遅くなるだろうけど、歩いてればいずれ着く。
気合い入れて、再出発。
ここからのアップダウンがまたきついんだな。
でも引き返すという選択肢は無し。
前へ前へと足を動かすのみ。
豚汁には持ち込んだネギと乾燥ワカメ入り。
極食のフリーズドライ食品も美味しかったけどちと量が物足りない。
ちょっとした贅沢を味わいたい方には良いかも。
場所が悪くて立ちっぱで飯作ってたから、こういうときに椅子があると便利だなぁと思った。
それは今後考えよう。
ストレッチして寝袋へ。
「疲れたし明日は停滞すっかなぁ」
目覚ましはいつもより遅めの5時にセット。
とりあえず起きたら考えよう。
斜面が斜めっているので寝ている間にマットが滑って何度も目が覚めた。
やっぱ、テン場には早めに着いて良い場所確保せんとだね。