会見の中での、羽生くんの言葉です。

 【フィギュアスケート・GPファイナル最終日 ( 2019年12月7日    イタリア・トリノ )】 男子の羽生結弦(ANA)はフリーで194・00点をマークし、合計291・43点で2位だった。12・95点差のSP2位からの大逆転はならず、SP首位のネーサン・チェン(米国)が合計335・30点の世界最高得点で3連覇を達成した。

 【ミックスゾーンでの羽生との一問一答】
 ――結果について
 「まあ、こんなもんだろうと思っていました。ルッツ跳べていますし、ループも跳べてるから、まあ4回転も後半3本入れてみたいな感じで印象は強いんですけど実際、点数を取れているものがやっぱ少ないなという風に思っているので、まあこんなもんですね。まあ、でも、かなり実りのある試合にできましたし、たぶんこうやって挑戦しきるということは、ネーサンがああいう演技してくれなかったら僕はこういう風になっていないですし、コーチが来られなかったことはもちろん残念だったかもしれないですけど、僕はそれのせいで跳べなかったとは思わないですけど、ただ、そういう意味でも成長できた試合でしたし、SPのミスがあってこその今回のフリーの挑戦だったっていう風に思いますし、いろいろと考えさせられることと、いろいろと必要なものが見えているので。世界選手権の時は“もうかなわないなあ”って思って“もっと強くなんなきゃな”みたいな感じで笑えてたんですけど、今回は勝負には負けているんですけど、自分の中の勝負にはある程度、勝てたので。ちょっと試合として一歩、強くなれたんじゃないかなっていう風に思います」

 ――頭の体力を使った感じか
 「まあ疲れちゃいますよね。この構成で滑り込んでいるわけではないので。まあ試合で使う構成っていう風には、まあ使わないでいられるようにという風に思っていましたし。でも、まあこれが前半にかんしてはできたので。これからこれは必要になってきますし。試合で、こうやって、トレーニングとは言いたくないですけど、結果としてトレーニングにはなったと思っているので。すごくこれからまた強くなれる一歩になったんじゃないかなとは思います

 ――ルッツは自信になったか
 「ルッツはすごいきれいに決まったんですけど、やっぱりセットポジション長いですし、もっともっとつめられると思います

 ――朝の公式練習は4回転ルッツを跳べなかった。手応えはあるか
 「もちろん、なんだろ、手応えは感じましたけども。スケートは全部跳べて全てきれいにプログラムとしてまとまってなんぼだとやっぱり思うので、その点は悔しいですし、これからはこの構成で滑り込みができて、またつらい練習ができるって思うとちょっとワクワクしています

 ――自分の中での勝負に勝てたのはルッツのところか
 「まあループ、ルッツですね。ループも久しぶりにきれいに決まりましたし、やっとという思いも強いですし、もちろんトランジションの部分は4回転5本の構成にして、ルッツ入れて、やっぱり抜けている部分は多々あるので、そこは何とか滑り込みをしながら、全部跳べる状態に、全部滑り込んだ上で全部跳べるようにっていう風にはしたいなと強く思っています。それができてこそのフィギュアスケートだと思いますし、やっぱりジャンプ大会ではないので。そこにかんしては今回、ちょっと捨てていた部分もあるので。とりあえず、ループ、ルッツ跳べたということはかなり点数以上に、かなり自分の中で進めたなという感覚はあります
 
 ――チェンとの点差をどう受け止めているか
 「あの、点数ほど大きくないなと思っているんですよ、僕の中ではこの採点方法自体が細かいミスを続ければ続けるほど、差はどんどんどんどん開いていきますし、ただ降りたジャンプは数多くありましたし今回。特にループ、ルッツにかんしてはかなり加点もらえていますし、なので、あとはきれいに降りるだけっていうか、そういう感じは持っているので。思ったよりもそんなに差は感じていないです。ただ、ショートにかんしてまだトーループの方がまだちょっと不安なので。そこをどうやって変えていくかっていうのをちょっと考えきらなきゃいけないなというのと、あとはまあ、ショートでももっと、もしかしたらループとかルッツとか、このまま確率が良くなってくれば入れられる可能性だってあると思うので、いろいろまた、へへ、楽しみながら強くなっていきたいと思います。まあ全日本まではまだ無理ですけど。全日本はたぶん、また調整していっぱいいっぱいだと思うんですけど、でも、とりあえず今回、点差はすごいですけど、もちろん自分もそういう風な点差をつけて勝ったこともありますけど、でも、今回の点差はそんなに自分が思っているように遠くないと思っています

 ――25歳をどんな年にしたいですか
「勝ちます!」


⛸️


羽生くんの言葉、とても嬉しく読ませて頂きました。
この構成を滑り込んで、まだまだ上を目指せる、それが楽しいと言うところが『羽生結弦』なんですよね。


その点差について、計算した上で、これからの可能性について書いて下さった記事があります。


⛸️


デイリースポーツより

【採点分析】羽生結弦 チェンの世界最高点に迫るには…ノーミス+αへ「ワクワク」


https://www.daily.co.jp/general/2019/12/08/0012942117.shtml?pg=amp&__twitter_impression=true

 男子フリーが行われ、SPトップのネーサン・チェンが世界最高得点を更新する演技で大会3連覇を達成した。2位の羽生結弦(ANA)とは43・87点差と大差がついたが、羽生は「大きくないなと思っている」と、今後の巻き返しに自信をのぞかせた。今回のSP、フリーを合わせた演技内容や得点から、活路をさぐった。

(1)SPのトーループからの連続ジャンプ

 今回、SPの4回転トーループからの連続ジャンプが決まらなかった。今大会は10・45点だったが、今季成功させているNHK杯では17・51点、スケートカナダでは16・97点と17点前後が見込める要素。本来の演技をすることで技術点で6・5点前後は上積みされ、演技構成点でも若干の上積みが見込めるだろう。

(2)3回転アクセル-3回転アクセルの完成

 今回挑もうとしていた3回転アクセル-3回転アクセルのシークエンスジャンプは基礎点が後半であることを加味して14・08点となる。今大会は単独の1回転アクセルとなり1・27点に終わった。成功させた時の出来栄え点による加点を加味すると、15点前後の伸びしろがあると考えられる。

(3)4回転トーループからの連続ジャンプの完成度

 羽生の演技構成で1つの要素としては最も基礎点が高くなるのが4回転トーループ-オイラー-3回転フリップの連続ジャンプ。これは今季成功させたスケートカナダでは20・90点をマークした。今大会では回転不足が最後のフリップについたこともあり、出来栄え点で減点が入って13・35点。差し引きは7・55点となる。

 また、4回転トーループからの2連続ジャンプは2つ目のジャンプが3回転トーループから2回転になった。ここを4回転-3回転できっちりと成功させると、3点から4点の上積みが見込める。

   ◆  ◆

 以上に記した上積みを全て足すと、単純計算ながら30点から33点ほどになるが、まだ今大会でつけられた43・87点を埋めきれない。チェンが完ぺきな演技をしたこともあるが、後は、羽生が「全部跳べて、全部プログラムとしてまとまってなんぼ」と語るように、SP、フリーの両プログラムを全体として完成度を高めていくことが考えられる。羽生自身も「これからはこの構成ですべりこみができて、また辛い練習ができると思うと、ちょっとワクワクしてます」と意欲的だ。


⛸️



羽生くんは決してタラレバは言わないけれど、この構成を考えた時、そして滑り終えてから、細かな計算をし尽くしているはず。


トランジションの部分は4回転5本の構成にして、ルッツ入れて、やっぱり抜けている部分は多々あるので
…と、今回はジャンプに集中したことで、いつもよりも他のエレメンツに気を配れなかった部分があることも、点数に影響していることは分かっているのでしょう。


急遽、予定していなかったプログラム構成で挑んだけれど、今回、4Lo4LSを含む4回転5本を入れた構成で滑ることができて持てた自信と、この構成を滑り込むことで点数を重ねていけるという手応えを感じられたことで、「点数ほど差は大きくない」という言葉となったのですね。


ホントに頼もしい。
まだまだ上を目指す羽生くんがまぶしいし、嬉しい。


「またつらい練習ができるって思うとちょっとワクワクしています」と話す羽生くんが、健康で怪我なく、思う存分スケートに打ち込めるように、祈って、応援していきたいと思っています。



ねこまさむねくんがフリーの前に贈ってくれたこの言葉。
今の羽生くんにぴったりだなと感じました。
とんでもなく凄いOriginの完成へのスタート…。