東区の橦木館で開催中の「深堀隆介展」へ出かけてきました。
じつは今回の展覧会、深堀隆介さん、畳の山田憲司さん、名工大の北川先生による三人展なのです。
今回ご紹介したいのは、山田憲司さんの作品。
山田さんとは3年前、京都で開催した「鶴展」以来のご縁です。
当時は私も展覧会のプロデュースに携わらせていただきました。
そして今回、再び「鶴」の作品に出会うことができました。
久しぶりの再会に、懐かしさとともに、改めて作品の魅力を感じる時間となりました。
畳は、正方形でなくてもいい
私たちが普段、何気なく目にしている畳。
畳といえば、決まった大きさや形を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ところが山田さんの作品は、そうした固定観念を軽やかに超えていきます。
畳という伝統的な素材を、自由な発想と卓越した技術によって、新たなデザインへと展開する。
一枚一枚の畳が構成する大きな表現には、圧倒されるものがあります。
長い歴史の中で培われてきた技術があるからこそ、実現できる表現もあるのでしょう。
単に珍しい形をつくるのではなく、素材の特性や技術への深い理解を土台に、新しい価値を生み出している。
そこに、山田さんの仕事の素晴らしさがあるように感じます。
伝統を守ることと、新しいものを生み出すこと
伝統工芸や日本のものづくりを取り巻く環境は、決して楽観できるものばかりではありません。
そのような中で、受け継がれてきた技術を生かしながら、新たな境地を切り開く方々の存在は、とても心強いものです。
伝統を守ることは、昔と同じものをつくり続けることだけではない。
その技術の本質を理解し、現代の感性と結びつけ、次の時代へとつないでいくこと。
山田さんの作品を見ていると、そんなことを考えさせられます。
今回の三人展も、それぞれ異なる表現がひとつの空間に集まることで、新たな魅力が生まれていました。
作品そのものの素晴らしさはもちろん、建物や空間との関係性も含めて楽しめる展覧会です。
日本の伝統技術には、まだまだ大きな可能性がある。
そして、その価値を未来へつないでいく人たちがいる。
これからも、山田憲司さんの活動から目が離せません。
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