この時期になると毎年、

池坊本部から名古屋で開催される花展の招待状が届きます。

花展を訪れると、
たくさんの作品が一堂に並んでいます。

花の種類も違えば、
器も違う。

表現の仕方も、
作者の想いも、それぞれ。

それなのに、会場を歩いていると、
その年ごとに不思議と
「今の自分が気になるもの」が見えてきます。

まるで、花のほうから
「今年はこれですよ」と
教えてくれているような感覚です。

今年、私の目に留まったのは、
「バランス」でした。


自然を、創造する

いけばなを見ていて、
ふと考えたことがあります。

花は、もともと自然の中にあるもの。

それを人が選び、
切り取り、
器を選び、
向きを決め、
高さを変え、
余白をつくる。

つまり、自然そのものを再現するのではなく、
自然の一部を素材にして、
人の感性によって新しい景色を創っている。

そう考えると、
「自然を創造する」という言葉が
頭に浮かびました。

もちろん、自然そのものを
人間が創ることはできません。

けれど、自然の美しさを感じ取り、
そこから新しい美を生み出すことはできる。

そこに、
いけばなの面白さがあるように思います。


「バランス」は、均等ではない

今年、特に気になったのが
作品の中にある「バランス」でした。

高さのある枝と、低い花。

大きな花と、小さな花。

強い色と、淡い色。

そして、何もない余白。

どれも均等ではありません。

むしろ、アンバランスに見えるものさえある。

けれど、全体を見ると不思議と調和している。

そこで改めて、

バランスとは、
「均等にすること」ではないのだな

と思いました。

それぞれの個性を残しながら、
全体として心地よいところに収めていく。

その絶妙なところを探すことなのかもしれません。


そして、インテリアへ

花展を見ているうちに、
私の頭の中では、
いつものようにインテリアへと
イメージが広がっていきました。

家具のバランス。

照明器具のバランス。

カーテンのバランス。

色のバランス。

素材のバランス。

そして、何より
余白とのバランス。

インテリアも、
「この家具が好き」
「この照明が素敵」
という一つひとつの要素だけでは
空間は完成しません。

そのものが、
その場所でどんな役割を持つのか。

ほかのものとどう響き合うのか。

何を目立たせ、
何を引き算するのか。

そこを考えていくことが、
空間づくりなのだと思います。


最近、私は
「何を足すか」だけではなく、

「何を残すか」
「何を引くか」
「どこまで手を入れるか」

ということを、以前より考えるようになりました。

今回の花展で感じた「バランス」も、
きっと同じところにつながっている。

自然を素材にしながら、
人の手で新しい美を創る。

でも、自然を人間の思い通りに
してしまうわけではない。

その境界にあるもの。

それは、私がこれまで考えてきた
「自然との共存」というテーマとも
つながっているように思います。


そして何より面白いのは、

私はただ、
毎年楽しみにしている花展へ
足を運んだだけなのです。

そこで花を眺めていたら、
今年の自分が気になっている
「バランス」というテーマに出会い、

さらにそこから、
家具、照明、カーテン……と、
仕事のイメージまで広がっていきました。

やっぱり今回も、

「向こうからやってきた」

のだと思います。

探しに行ったわけではない。

でも、目の前にあるものを
ちゃんと見ていると、
そこから次の気づきが生まれてくる。

最近、そんな出来事が
本当に増えてきました。

今回、花たちからいただいた
「バランス」という気づき。

さて、これを次の仕事で
どう活かそうか。

そんなことを考えながら帰る時間も、
また楽しいのです。🌿

自然を創造すること。
そして、自然から創造を学ぶこと。

花展は今年も、
私に新しい一ページを
そっと手渡してくれました。📖✨


ブログでは、「インテリアが大切な理由」をテーマに、暮らしや住まいにまつわる気づきをお届けしています。
 

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