身近で不幸があった。


葬儀の時、
棺の中には、その人が生前着ていた作業着を着せてあったと聞いた。


その話を聞いた時、
私はふと、


「まだ仕事をしたかったのかな」

と思った。


その人にとって、
その作業着はただの服ではなく、
人生そのものだったのかもしれない。


毎日働いて、
誰かのために動いて、
自分の役割を生きてきた証。


そう思うと、
人が最後に持っていきたいものって、
その人の人生が詰まっている気がした。


そして私は考えた。


もし自分が亡くなった時、
棺に何を入れて持っていきたいだろう。


お金でもない。
肩書きでもない。
ブランド品でもない。


何を持っていきたいかを考えた時、
私の中に浮かんだのは、


「この世は愛だった」


と証明できるものだった。


じゃあ、
愛を象徴するものって何だろう。


そう考えた時、
なぜか私の中に浮かんだのは「花」だった。


花は、
咲いて、
満ちて、
やがて散っていく。


だけど、
散る事は終わりではなく、
また季節が巡り、
また命が芽吹く。


その姿は、
人生そのもののようにも見える。


苦しみも、
喜びも、
出会いも、
別れも、

全部、
命の流れの中にある。


そして、
花はただ存在しているだけなのに、
人の心を動かす。


それって、
愛に少し似ている気がした。



私はまだ、
「この世は愛だった」と証明できるものが何なのか、
はっきり答えを見つけられたわけじゃない。



だけど、
人生の最後に持っていきたいと思えるものを、
これから探していきたいと思う。