闇の中から | MY LIFE AS A FOOTBALL 2

MY LIFE AS A FOOTBALL 2

ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ


 よくぞ生還しました。
幸福丸の漁師さんたち。

よかったなぁ、としか言いようがありません。

以前、大洪水の中、バスの屋根の上で一晩を明かした年配の人たちがいました。
あれも恐怖だったでしょうが、なんとか想像ができる恐怖です。
でも今回のは、私なんかには想像を絶する極限中の極限です。

バスの屋根の上でも、ワタクシまっさきにパニックになりそうです。
見るも無残に心が折れていたと思います。

でもなんとか、なんとか冷静になれたら、そこが陸地だとは気がつくでしょ。
それに雨さえ上がれば、水かさがそれ以上増えないことも分かるし、
なにかに摑まってさえいれば、一晩くらいは耐えられるかもしれません。

ところが今回の場合は“海”です。水は引いてくれません。
閉所での窒息と浸水の恐怖。そして圧倒的な闇。

しかも、いつ救助の手が届くかまったく分からない状態です。
時間的にも空間的にも、バスの屋根の上とは比較になりません。

私なら間違いなく、ストレスで死ぬか、
生きていたとしても発狂してるでしょう。

助かった3人の人たちを見ました?
3人ともやさしげで、おとなしそうで、マッチョとは正反対な感じです。

「逃げ遅れた」と言われている通り、機敏でせっかちなタイプでもなさそうです。
むしろおっとりとして、目覚ましが鳴ってもなかなか起きないのでは、と思わせます。

つまり、せっかちで神経質、朝は目覚ましが鳴る前に起きて、
何かとくよくよし、腹が据わっていない・・・私のような人間はまっ先にアウトです。
それ以前に、そもそも漁師になれませんが。

考えうる最悪の状況から生還した勇者に、心からの尊敬を。