「黄色い目の魚」
ヒロインが放課後、校庭に座り、運動部の連中を見ている。
サッカー部、ラグビー部、陸上部、野球部・・・
なんだかワクワクしながら・・・。
以下、ちょっと引用すると、
『木島を見る。紅白戦が始まるところ。
進藤くんと罵りあいをしている。笑いながら。
幸せそうだな。よかったな。
中略
木島が大きく足を振り上げて、
ボールを遠くに蹴る。
ああ、すっげえキレイ。
私の胸のもやもやもスパーンと蹴り飛ばしてくれるみたいだ。』
木島ってのが主人公で、ゴールキーパーだ。
ボールが描く放物線を“すっげえキレイ”と表現する作者がいいすね。
作者の佐藤多佳子はサッカーが好きなんだと思う。
たまり場の店の名が「ハーフタイム」だったり、
最後に出てくる犬の名前が、「ラウル」だったりね。
とりあえず、木島は高校2年でサッカー部を引退した。
そして、444ページある文庫の、400ページを越えたあたりで、
ヒロインに「俺、村田が好きだよ」と打ち明けた。
このスーパーな傑作の続編は・・・
角田光代によれば、あるらしい。いいぞっ!