私たち家族の暮らす田舎町は

異様に地区の役が多い。

通常の体育・衛生・文化・交通・福祉・組長といった

組合の役が順番で回ってくるほか、

婦人会、若妻会、壮年会といった男女別の組織、

そして他にも個別の役が回ってくる。



昨夜は、だんなが壮年会の役員を決める話し合いに参加した。

壮年会とは20代から40代の男性の会で、

祭りや運動会などで中心的な役割を果たす会だ。

来年と再来年の役員を決定するための話し合いで、

対象者は10人ほど。


実は、私ががんにかかった年、

だんなは衛生部長という大役を押し付けられ、

さらにまあの保育園の保護者会の副会長という役も

くじで当ってしまっていた。



実際に苦労したのはだんななので、

私の病気とは関係のないことかもしれないが、

核家族の我が家にとって、

保育園の子供を抱えながら、

母が病に倒れ、

父が大きな役を二つも掛け持ちする、

という状態は非常事態であった。



今は普通の生活を取り戻しているいるが、

いつ再発するか分からない私の病気。


話し合いに向かうだんなに、

「わたしの5年生存率は10%だから」

と念を押した。

それを武器にしてもらって構わない。

というか、実際に役を引き受けて

私が再発でもしたら我が家は崩壊してしまう。



昨夜の話し合いでは、

仕事を理由に役を断ろうとする人の後に、

だんなも「妻の5年生存率は・・・」という話をしたらしい。

重苦しい雰囲気が流れたようだが、

とりあえず大役は免れた。




特殊なケースではあるが、

ステージ4であることは間違いなく、

統計的に見れば5年生存率は12%だ。


でも私は5年以上生きるつもりだし、

今は元気でぶくぶく太り、ピンピンしている。


その場にいた人が、今の私の姿を見たら、

???と思うかもしれない。

5年以上生きたら、あの時の話は・・・と思うかもしれない。



ずるい考えかもしれないが、

私は、自分がこういう状態だということを隠すつもりはない。

時には利用させてもらって、

他にできる人がいる時はその人にやってもらえばいいと思っている。


そして、

5年間再発なしにすごすことができたなら、

(卵巣がんの場合は5年という年が

十分な年ではないということは理解してますが)、

そのときには、喜んで役でも何でもやろうと思っている。


今、1年半が過ぎた。

正念場はまだまだ先だ。