そしてまた入院。 | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。


今日からまた、父が抗がん剤セカンドラインのタキソテール投薬のために入院しました。


午前中、9時から放送されている大好きな韓国歴史ドラマ「 大王世宗(テワンセジョン) 」を観た後、病院へ。


駐車場で車を降りたところで、


 「 お父さん、私12日には九州に戻るんだから、前みたく入院延長なんてならないようにしてね!

  心配で帰るに帰れなくなっちゃうんだから。 」


それは元気付けるつもりで言った言葉なのに、父はすかさず空を見上げながら


 「 帰ったっていいよ。

  お父さんはお空に帰るから。

  お空からお前がちゃんとやっているかどうか眺めるから。 」


と切り替えされてしまいました。


当たり前みたいにそんなセリフを吐くけど、当たり前にそんな風に言えちゃうのは、家族が見ている以上に、父が死を身近に感じている証拠だ。



そのまま何も言い返せないまま、父にそっと腕を絡ませて歩くと、父は


 「 ありがたいなぁ。昨日はママもそうやって、支えるように歩いてくれたよ。 」


と。

ただ、向かう場所が病院だけに、入り口の近くになって


 「 これじゃまるでヨボヨボ老人みたいだから、もう腕を組まなくていいよ。

  家族揃ってお散歩してる姿は人に自慢できるけど、娘に手を引かれて病院に行く姿はどうもなぁ。 」


と言われたので、素直に身を引きました(笑)


まだ見栄を晴れる気力があることだけは、良かったかな。



病室は見晴らしの良い5階を希望していたものの、残念ながら空いているのは2階とのこと。

ちょっと残念でしたが、窓側のベッドだったので閉塞感なく過ごせそうです。


お父さん、今回は早く退院しようね。



父はベッドに案内されてすぐにパジャマに着替え、そのままベッドの中へ。

表情まで病人になりきってしまいました。

抗がん剤投与後、このまま起き上がれないなんてことが無ければいいのだけど・・・


タキソテールは通院でも投薬可能な抗がん剤なので、早く退院できることを祈るのみ。

副作用も出ませんように!