自閉症の次男が
広島市立の保育園へ
入園すると同時に
私はパートの仕事を探しました。
療育手帳を保有している子どもに
担当の保育士がつき、
障がいの子どもと健常の子どもを
一緒に保育する体制を
統合保育といいます。
区別をしたような表現で
なんかモヤっとしますが、
ここは行政的な観点から。
要は、一緒に活動が行えるのです。
この制度を聞いたとき
本当に救われました。
昔は、
障害の子どもを預けるところもなくて
働くことは難しかったのですが、
この制度のおかげで
障害の子を持つお母さんも
働きやすくなったんです。
妻
嫁
お母さん だけでなく、
私が私であると
実感できる時間ができました。
久々の仕事として選んだのが
介護職でした。
障害の人たちへ
将来活かせないかと思ったんです。
たくさんのお年寄りから
たくさんのことを
学びましたよ～。
「会ってみん？
あなたにええと思う男性がおるんよ。
一回バツがついとるけど。」と、
認知症のお年寄りに
お見合いを斡旋されたり、
米袋を開けたらヘビ🐍が出たり、
土間で洗い物していたら
粉雪が入ってきて
凍えるほどの寒さを味わったり。
猫に「ニャン」と
そっぽ向いてあしらわれ、
目の前を猿の群れが走り去り、
猫が捕まえてきたネズミを
処理したり、
暑い日なのに
なぜだか
ご仏壇のお部屋は寒気を感じたり、
大雪の日に
10キロ程度の道を
３時間ぐらいかけてお年寄りの
お宅へ行ったり。
悲しいお別れもありましたが、
おもしろおかしく
楽しい時間を過ごすことも
たくさんありました。
若くて気の利かない私に
ちょっぴり意地悪する人もいれば、
体が痛いのに
雪かきして待ってくれてる方もいて。
息子をせっかく
早稲田大学に入れたのに
学生運動で捕まり、
就職できないことを嘆く
お年寄りもいました。
警察官である息子のお嫁さんを
「忍者」と呼び、
家の大切な物が忍者に盗まれると怯えて、
だけど息子が警察官だから
訴えられないと、
泣きながら
家中、鍵をかけていた方も。
もちろん本気です。
原爆で爆心地３キロで生かされたという
助産婦さんもいました。
ああ、懐かしい
みなさんの人生劇場を聴くのが
私は楽しかった🎵
たくさんの出会いと経験ができたのも
統合保育のおかげです。
介護の仕事は私にとって
支援やサポートする側の大変さも
理解ができたので、
次男に関わって下さった方々へ
心から有難いな～と思えました。
あの頃の経験、出会いが
私のライフキャリア＝生き方を
作っています。
そんなヘルパー時代で
幸せってなんだろうと
考えさせられた
忘れられないシーンがあります。
ご主人に先立たれ
子どもがいないので
豪邸に独りで住まわれている女性の
家事援助をしていたときのこと。
銀行の預金通帳の残高を
見せてくれました。
何桁かしら
たくさんのお金が預金されていて
(家が二軒ぐらい建てられると思った)
子どもがいないから
後見人を立てるんだ、等々
話してくれました。
多額のお金を持ってても、
お顔は寂しそうなのです。
かたや私はと言えば、
つい最近
子どもが障害だと分かって
落ち込んで、先が心配。
働いても
時給950円のパート収入。
毎日、四苦八苦しながら家事と子育て。
本当の幸せってなんじゃろ？
お金があっても
幸せとは限らんね～と
その時３５才の私は思いました。
どんなことですか？
自分人生は自分のものです。
自分のライフキャリアを自分で描いて、
そこには必ず幸福感を
セットにしましょう🎵
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