取りあえず喫緊の問題は、やはり衆議院選挙だろう。
バラマキと言われる過去最大規模の補正予算が成立し、民主党小沢元代表の西松問題で一時収まっていた「麻生降ろし」の動きが再燃する中、いよいよ首相も解散の先延ばしが難しくなりだした。
55日間の延長が決まった今国会中に解散される公算が高まっている。
8月の初旬か、8月の下旬か…
いずれにしても、このままだと自民党にとってはかなり厳しい選挙戦が予想される。
麻生総理に起死回生のホームランが打てる気配はなく、党首交代で西松問題が鎮火し始めた今、新たな敵失待ちか?と思えば、逆に郵政社長人事で与党内が泥沼化し始めた。
どんなにあがこうとも「時代の流れ」というのは変えられないのかな、と思う。
高度経済成長時の自民党政治は「1億総中流」に象徴される、奇跡的な格差なき高度経済成長を成し遂げた。
この世界に誇るべき経済成長は、中央に集まってくる金を地方に「公共事業」という形で分配する、『日本列島改造論』田中角栄の政策によって達成されたと言って過言でない。
しかし、やがてこの政策も時代の流れに合わなくなり、狂乱物価を招いたり金脈問題へと発展、一転して批判を招くこととなる。
その後の日本はご存知の通り。
政官の癒着は深まり、肥大化した予算で非効率的な官僚政治が今なお続いている。
とっくの昔に時代に合わなくなってしまった政治システムが、いまだにこの国を動かしているのである。
結果、20世紀末にはGDP世界第2位の「経済大国」と言われた日本経済は転落、今では「一流」と呼ばれるような状況ですらなくなっている。
そんなときに現れた“変人”小泉純一郎による、大衆芸能のような政治…電通が仕掛けたと言われる「自民党をぶっ壊す!」に代表される「ワンフレーズ・ポリティクス」によって更に状況は悪化する。
“売国奴”竹中平蔵との共謀で日本は売られ、「一億総中流」から、市場原理主義による「格差社会」へと突入してしまったのである。
そこに持って来て、リーマン・ブラザーズの破綻を契機とした世界同時不況により、社会はますます閉塞感を強め、派遣切りや雇い止めが社会問題と化し、犯罪や自殺者が増加と深刻な事態に陥っている。
にもかかわらず、この間に政府が何をしていたかと言えば、安倍、福田と民意を得ていない首相が次々と職務を放棄し、事実上選挙管理内閣として発足した麻生内閣は、選挙どころか経済対策も先延ばし、酔っぱらい大臣や不倫官房副長官を抱えて迷走を続けている。
いくら馬鹿な国民でも、ここまで来れば「終わらざるを得ない」「終わらせなくてはならない」政権であることくらいわかるはずだ。
このままなら政権交代は確実であり、だからこそ解散できないでいるわけだ。
AかっこCの麻生首相のこと、「任期満了」は格好悪くて出来ないのだろうが、既に状況は同じである。
まぁ、あと数ヶ月でいよいよ政権交代が起こる。
(ほんの僅かな時期を除いて)戦後50年以上にわたりこの国を支配してきた、自民党一党支配の政治が、そして官僚支配の政治が終わる。
とはいえ、手放しに喜んでばかりもいられない。
政権が変わればすぐに「明るい未来がやって来る」というわけでもない。
政権を握った経験のない民主党は厳しい船出を迫られるだろう。
何より官僚の抵抗は相当激しいものになると予想されるし、それはきっと自民党との闘いよりも厳しいはずだ。
躓くことも多いだろう。
しかし、簡単にダメ出しをしてはいけない。
本当にこの国の政治を変えようと思うならば、国民はその痛みを分かち合う必要がある。
真の意味で国民の手に政治を取り戻すためには、国民が政治家を、そして政党を育てなければならないのだ。
大転換期と言える今、果たして日本は世界にその存在感を示していけるのか…
それは、この政権交代の成否に掛かっていると言って過言ではないだろう。