俺は目を開く。
とある空き地だった。先程までガレージにいたから無事に到着したという事だろう。
目の前の曲がり角から女性がやってくる。
地上に着くかと錯覚するみたく伸びた髪の毛。白いワンピース。
その姿はまるで天使のようであった。
「綺麗だ・・・・」
俺はつい言葉にしてしまう。
だが、そんな事を言ってる暇はない。
時は一刻一刻と迫っている。なんとか彼女を助けなければならない。
俺は彼女の手をつかむ。
「説明は後だ!」
俺はそう言い、彼女と共に走り出す。空き地を抜け、1キロ先の公園を目指す。
「何をするんですの?」
何も知らないお嬢様な彼女は少し焦った声を出しながらも落ち着いた雰囲気を保っていた。
「俺のことは覚えてる?」
彼女は考える。
「あなたは・・・三日前の・・・名前は・・・・」
彼女は息を切らしながら応答を続ける。
「俺は・・・・」
バァン!銃声が鳴り響いた。どこからだ?
気づいた時には遅かった。
手を握っていた彼女の力が一気に弱くなり、彼女は地に膝をつけて倒れていった。胸からは大量の血が流れていっていた。
彼女は自分が死ぬ感覚すらなく死んでいった
「やめろ・・・・やめてくれー!」
俺は必死に叫んだがこの声は届くことは無かった。
その日は雨だった。彼女の血が雨により滲んでいく。
そして少年の涙も彼女の血を歪ませた。
ふと無意識に俺は目を開いた。蛍光灯が光っており、ベッドに寝転がっていた。
夢を見ていたのか・・・・?と疑ったが、間違いなく夢ではない。
「あら、目が覚めたのね」
横から女の声が聞こえてくる。声の正体は知っている。
横には金髪の女が雑誌を読みながらこちらをジロジロ見ていた。
「1年を無駄にした気分は毎度良くないものだよ」
俺はテキトーな返事だけを返す。
頭が少し痛い。少し疲れたのだろうか。
「早くチケットをくれ。すぐにでも・・・・」
と言いかけた時、
「何回も連続でやり過ぎよ。」
女が俺の行動を止めようとする。
「肉体は疲労しなくてもこれまでの記憶はあるはずよ。精神にはかなりの負担があると思うの。」
女の説明はごもっともだ。だったら少しだけ休んで・・・・
「私、あなたの話、聞きたい!ねえ!いいでしょう!」
女の声がけたたましい。まあ静かに休むつもりはないからいいのだが。
「まあ、いいだろう。」
俺はしゃべり出す。俺という人物、何故こうなったのか・・・・。少しくらい自分語りをさせてもらおうかな。