ここのところ休む暇もなく働き詰めな気がする。
一昨日は巨大な怪獣が街に現れ、それを巨人が倒す。知らない人から見れば「テレビの見すぎ。」の一言で片付けられてしまいそうだ。
そのせいで生活は一変して命の危険に晒されることも多くなっていっている気がする。というか事実だ。
「しんどいなぁ・・・・」
彼の名は大久保隆。しがない地方新聞記者である。
久しぶりにプライベート用のパソコンを開く。軽快な起動音、ユーザー表示、なにか懐かしく思えた。
いつもならここからはネットの掲示板やまとめサイトなりゲームをするつもりなのだが今日は違った。
ここ最近の出来事をまとめておこうと思ったのだ。
そう思い、早速ライターのソフトを起動させる。
もし俺が、大久保隆が死んだとき、誰かがこのパソコンを覗いてくれれば幸いである。
以下は作者が無駄と思い省いた設定なんかもねじ込んでいこうと思う。(結果的にいりそうと思えたから書く)
作者が無能なのではない。ただただ先のことを考えて行動するという能力が少し劣っているだけなのだ。
メタイ発言はここまでにしてキーボードで打っていこう。
俺、大久保隆はこの安田町周辺のしがない地方新聞記者だ。
地域に根ざした地域のニュースを届ける。そんな仕事だ。
地域の学校のニュースをメインにしていた。
どこどこの学校がインターハイに出たとか、どこどこの学校が文部科学大臣賞を受賞した!みたいな。
いわゆる三面記事には載らない、あまりにもローカルなニュースに数多く携わってきたってことだ。
やりがいはぶっちゃけあまりないわけだが・・・・。
だが、俺はある時そんなニュースすべてがちっぽけに思えるある出来事に遭遇することになるんだ。
俺はある時、ある山の森林にいこうとした。街より少し離れた小田原山というところだった。
山道に車を止め、辺りを見渡す。
別段変な所はない。
山道が無限回廊のようにあるくらいでそれだけだった。
だが、何があったわけでもなく、いや、あった。5年前に。俺はこの場所で遭遇していたんだ。
5年前。俺はとある事情でこの森を訪れていた。何もない、ただの散歩みたいなもんだ。
そこで俺はとんでもないもんに遭遇してしまう。
見た目の呼称なんざどうでもいい。モンスター、キメラ、怪獣、怪物なんとでも呼べばいい。
目の前に現れたのはそんな奴だった。
俺は怖かった。たが、そんな恐怖はすぐに消えることになる。
気がつくと何か光が降り注ぎ、怪物は蒸発した。そして振り返ると剣を持った巨人がいた。
光に包まれたその姿はあまりにも神々しかった。
それが俺が5年前に遭遇した出来事。今にして思えばあまりにも不自然すぎる出来事だったのかもしれない。
別にそれで良かった。こんなこと誰も信じないだろうし。
そして俺はまた5年前と同じようにその森へ、小田原山へ入っていく。
何もない、ただの山だ。木しかない。
そこで俺はある少年に出くわす。
結城淳。彼はそう名乗った。
そして俺はもう一つ出くわす。
あの時出会った怪物だった。
姿、形は少し変わってたかもしれないがまだ怪物は生きていたのだ。
俺はあの時みたく、いや、あの時より怖かった。怪物は火の玉を吐き、こちらに来るのだ。
「俺はまだ!死にたくない!」
隣にいた少年、結城淳は胸にぶら下げていた青い結晶を空にかざす。
そうすると少年の体は青い光に包まれ、青き巨人へと姿を変える。
胸に赤く歪んだ十字架が模されていた。
その巨人は怪物に殴りかかり、蹴り、一方的だった。
そして止めを刺すように剣を腕で形成する。
その剣は周りの木々よりもあまりにも高かった。
それを力いっぱいに振り落とし、怪物は消滅した。
そこから暫く記憶が無かった。
気がつくと俺は何かしらの施設の中のベッドに横になっていた。
その施設の名はsignal。
表向きは製薬会社だが、実態はあの怪物、unknown beast(アンノウンビースト)、通称UBと戦ってきた秘密結社だった。
そこの所長、黒柳拓也は機密保持(どうやらUBと巨人のことはトップシークレットのようだ。)のために俺をそのsignalに加入させようとする。
したくはなかったが、まぁ加入してしまうのである。今にして思えばこれのお陰で俺の人生はクルっと180度変わっていくのである。
俺のその組織での役目は淳のお目付け役的なものだったのかもしれない。
淳には家族はいなかった。3年前の事故で両親を無くし、あのsignalという組織に引き取られたというものだった。
そして引き取られたというには少し言葉が甘かった。
signalの目的は偶然力を手に入れた淳の力を実験し、モルモットのように扱っていたのだ。
俺はもちろん少年一人がこんな目に遭うのは許せなかった。
だが、俺一人が反抗したところでなんの意味も無かった。一人の力は無力。こんなところで思い知らされるとは思わなかった。
そして敵、UBはその人類に対する敵意をやめはしなかった。
小田原山周辺にずっと現れるUBはより強力になっていくように思えた。
巨人に変身する少年、淳もまた大きな問題を抱えていた。
彼は中学校の部活動の剣道部にてイジメられていたのだ。
理由は生意気だから。淳は剣道の才能があるらしくレギュラーに組み込まれる程の強さを持っていた。
だが、彼はそれに負けることなく部活動を続け、そしてUBを倒すことをやめなかった。
あるとき、あるUBを倒した時だった。UBに襲われていた少年を保護した時の話だ。
UBを撃破し、変身を解除し、少年に話しかけた時だった。
「俺は!巨人を許さない!」
少年はそう言ったのだ。
少年曰くそのUBには自分の妹が保護されていたんだそうな。
だが、それはありえなかった。UBは人類に驚異をもたらす存在だ。
そしてその少年の妹はやはり別地点で遺体として発見された。
関連性はないのだろう。
それはつい、一昨日の事だった。
ついにUBが街に侵攻してきたのだ。
急に現れた異形の怪物に戸惑う人々。
そしてそのUBが現れた地点には剣道部の部員の姿があった。
淳の剣道部への恨みがあらぬことかここで爆発してしまう。
彼は剣道部の少年を目の前に彼は変身しようしないのだ。
「なんで戦わないんだ!」
俺はそう言い、彼に説明を求めた。
彼はこう答える。
「あいつらは僕のことをずっといじめてたんだ!これくらいのバチは当たって当たり前だろ!」
そんなことを平気で言ったのだ。これは人としての尊厳というものを間違えている。
「バカ野郎!」
俺は一喝して、彼を殴った。
「俺はお前に助けられてよかったとおもってるよ!」
「誰の為でも!そうでなくてもいい!戦ってくれ!この世界を救ってくれ!お前の彼女の為でも!なんでも!」
淳には彼女がいた。長良美智子という勝気な女の子だ。
淳は俺に反抗的な目をぶつけた。それはどうしても戦いたくないという感情なのか思春期所以なのかは分からなかった。
だが、彼は戦う。誰のためなのかはわからない。彼のためなのか誰か他人のためなのか。
巨人のふるう剣はいつも以上に重く感じた。
「ふうなんとかここまで仕上がったか。」
とりあえず打ち終え、安堵の息を漏らす隆。
「街にでたUBはどうにか倒したがまた出てくるとなるとこれはマズイな・・・・」
彼のあの戦いは凄まじかった。UBと戦う姿は多くの人間から応援されていた。孤独に戦っていた彼はなんと思っただろうか。支持されて行うというのはやはりよいものなのだろうか。
「とりあえず今日はもう寝よう。」
パソコンをシャットダウンし、ベッドに向かう隆。
まだ何も終わっていない。少なくとも問題は山積みだ。それを消化するのが今の問題だ。