巨人たちの肖像 12話 | yamakiのブログ

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大学生です。アニメとかゲームとか特撮とかテキトーに書いてます。メッセージは送られても見ない可能性大です。

山を進むとそこには一つの研究所があった。「signal」


前にも来ているが隆にはなんだか落ち着かない場所であった。


「ふぅ・・・・」


と息を整え、中に入る。


「よく来てくれたね。」


入ってすぐに所長、黒柳拓也がいた。


「一体何の用なんだ。生憎俺はここにホイホイ来れるほどの暇は持っちゃいない。」


そうかね。とだけ拓也は生返事をして話を続ける。


「これを君にあげよう。」


拓也がポケットから出したのは銃だった。


「俺はもう持っている。2丁もいらんさ。」


こんな隆を悟っていたかのように拓也はこんな言葉を発する。


「どうせ君のことだ。試し打ちとかしてないだろ。俺には必要ない。だとか俺にはこんなものを使う場所が無いとか思ってるんだろ?」


引っかかる言い方だった。


「何が言いたい?残念ながら俺にはお前の含みある言い方を気にかけてる時間は無い。」



こう隆が返すと


「端的に言おう。」


「あの銃はニセモノだ。弾は確かに入れてあるが銃そのものの構造上撃てやしない。」


「そんなに俺が信用出来なかったかよ。」


隆は大人しく白状する。


「あんたは上司としては優秀だよ。部下の全部を管理してるみたいで気持ち悪いが。」


とだけ付け加えて研究所を後にしようとしたとき、


「まだ私の話は終わっていないさ。」


拓也はまだ隆を引き止めた。


「特製の弾丸入りのマガジンと通信機だ。ポッケにでもしまっておけ。」


拓也はポケットからマガジンと通信機を出して目の前のテーブルに並べた。


「ありがとよ。」


言葉だけの感謝をし、隆は本当にその場を後にした。


研究所を後にしていつもの雑木林をかき分けて行くと一人の小学生位の男の子がいた。


「君、そこで何をやっているんだ。この森はあまり安全とは言えん。今すぐ帰るべきだ。」


少年は隆の方向を見ずにただただ何かに怯えていた。ただただ正面を見ていた。


「一体どうしたってんだよ?」


少年の背丈に合わすようにしゃがみ、少年の目線を合わせた。


そこには触手を土台とし、ラフレシアのように口を大きく開いたUBがいた。


「しゃがめ!」


隆の一言と共に二人はしゃがみそこから脱兎のごとく逃げた。


ポケットに入れていた通信機を取り出し、


「こちら隆!UBから攻撃を受けている!助けてくれ!森で迷っていた男の子もいる!」


「こちらでも確認しています。至急淳君をそちらに向かわせます。」


通信機から聞こえてきた音は冷淡な女の声だった。


ギィ!とUBが雄叫びを上げ、ものすごく太い幹のような触手を隆たちに振り落とす。


少年をとっさに抱きかかえて間一髪避ける。


「離せ!」


少年はそう言い隆の腕を解き、UBの方向へ突進しようとする。


「馬鹿な真似はよせ!」


隆のそんな声に少年は


「あそこには・・・・あの化物の中には・・・・妹がいるんだ! 」


隆は驚愕した。早く来てくれ!淳!


それが今の隆の一番の願いでもあった。