チェーンのようなものをつけた鎌は英司に降りかかる。
「ううっ!」
鎌は来るであろうと踏んでいた場所より少しずれ、英司が避けていた場所に角度を違えて振り下ろされた。
腕にかすった場所から鮮血に染まる。
「接近しないことには・・・。」
英司はもうこの時点で必死だった。
「遠距離用の武器はお持ちで無いか!ガキィィィィ!」
さらに降りかかる鎌。今しばらくは避ける事しか出来ない。
避けてる間にも鎌は角度を変え、方向を変え、英司に対して猛威を振るった。
「フラッシュで!」
英司は閃光が描かれたカードを取り出した。その動作と同時に刀は収納される。
カードを前に差し出し、投げた。
閃光が描かれたカードは猛烈な光を放ち、見るものに強烈な刺激を与えた。
「ちょこざいな!」
男は目を覆いながら言った。
「逃がすもんか!」
英司は刀を再度装備し、男に突貫していく。まだフラッシュの効果を終えていない為、まぶしい。
ザクッ!とでたらめに放たれていた鎌が頬を少しかすめた。
かすめた場所からたらっと血が流れる。が、それに構うことなく、突撃していく。
光が明けた。
英司は男の胸をさしていた。男の吐いた血が地面を真っ赤に染め上げた。
「こうしたく無かったのに!」
刀を抜き、男は支えを無くしたように倒れる。
「ガ・・・ガキィ・・・」
男の声は声で無かった。
「殺したつもりかよ・・・!」
男は手に忍ばせていたカプセルを血だまりの口の中に入れた。
「な、何がしたいんだよ。オッサン・・・!」
英司は少し哀れんだ。なにかこう、感傷的になっていた。
が、その瞬間だった。
男の様子は見るも全く違う「モノ」に変わっていく。
男の体は蒸発し、違う「モノ」が形成されていく。人間の形ではない。
「モンスターかよ・・・!」
形成された「モノ」は緑色のモンスターであった。顔はなく、手足も人間のように長くはない。昆虫の手足を思わせた。
「オッサン、一体何のつもりなんだよ!あのカプセルって!こんな姿が楽しいかよ!」
刀を構えるが、震える。こんな異形に怯えない方がおかしい。
ギギギ!と擬音を鳴らすモンスター。人の声は発せないように思える。
英司は過呼吸状態だった。見た目の恐怖は毛穴という毛穴からにじみ出、頭はロクな思考をするヒマを与えてはいなかった。
「そこをどけ!」
声が聞こえた。英司は必死にその場に伏せた。
その瞬間!英司は煙幕に包まれた。
「煙幕弾?一体?」
「死にたくなければそのまましゃがみ続けてろ!」
同じ声がした。
銃声が響いた。声と同じ方向だろう。銃声の後、何かに命中したのか、音が追加したように鳴る。
ギギギ!怪物となった男の苦痛を示すような奇声と共に。
「こいつでトドメだ!」
煙幕は晴れ、銃声の方向を向く。
その姿は誠二だった。手にしていた銃は光輝く。
引き金を引き、銃は一本の野太い光のビームを放った。
アサルトを使ったのか・・・?
英司が思考を巡らすより先にそのビームは怪物となった男に命中する。
命中した光は男を貫き、一気に男を蒸発させた。
「おい!大丈夫か!」
誠二の声に我を取り戻した英司。
「あ、ああ。何はともあれありがとう。あれは一体・・・?」
「んなもん後回しだ!」
英司の質問を一蹴し、言葉を続ける。
「あの女はどこだ!今はそっちが先だ!」
急かされるような言葉だった。
「愛理さんならもう1人を追って・・・。」
そこで言葉が詰まる。
「どこ行ったんだろう・・・?」
英司は少し困った。