「大・爆・発だぁ~!」
リズムを刻みながら手に持つバズーカをぶっ放す巨漢。
「ほら。コンビナートとか燃やすから、サツが来たじゃないすか」
小柄な少年はつい溜め息を付いてしまった。
「小次郎。んな細けぇ事気にしてっからおめぇはいっつも手柄持ってかれんだよ。分かってんのか?」
その言葉に小次郎も機嫌を悪くしたのか
「元々俺のは後衛用の武器がメインなんすから!というか、能力ですし!」
語が強くなっていた。
「悪かった。まぁ手柄は頂くがな!」
巨漢の男は警察のいる中心地にバズーカを放った。
「最近はストレス溜まるような仕事ばっかだったからよぉ。爽快だね」
撃った場所の地形が全く違うものになっていた。大きなくぼみができ、月のクレーターを思わせた。そのクレーターには肉塊、もとい、灰に変わった人間の姿があった。
「たかが戦闘員1人死んだ位でここまでしなくていいのによォ」
小次郎と呼ばれた少年は大男に意見した。
「けれどこれをすることによって俺らの行為が世界に示される。こうすることによって世界はいいように変わって行く」
大男は頭を掻いた。よほどさっきの話が退屈に聞こえたようだった。
「小次郎・・・。あんま言わないがさ。俺そういうの苦手なんだよね。目的なんて知らねえよ。ただただ暴れられたら俺はそれでイインダヨ。」
「・・・。」
映司は自転車を走らせていた。コンビナートの方向へ。
「あんなパニックな状況でよかったのかもしれない。おかげでチャリをパクるのも造作無かった。あいつらは・・・俺と同じだ。」
とりあえず今乗ってる自転車がどこにあったかは覚えておこう。
映司に戦慄が走った。また先日のように自分は、人同士が殺し合うのだ。もちろん行きたくは無い。戦いたくはない。だが彼は1種の高揚に駆られていた。
俺がいかなきゃ。俺しか戦えない。
だが死ぬかもしれない。
その思考が迷わせた。自転車が停まった。怖いものは怖いのだ。
「でも俺がいかなきゃもっと多くの人が犬死しちまう・・・。一方的に。」
そう言い聞かせ、また自転車を急がせた。
「どちらにしろやらなきゃやられるんだ・・・。」
死にたくないから。彼はよりペダルを進ませた。
「敵は能力者の模様。コンビナートの爆発は広がり、犠牲者は300人は・・・」
警察も必死だった。ここまで接近されていたのだ。ただの路地裏での戦闘がここまで広がったと分かっていたからだ。勿論、それに対策されたチームもいたが、敵が早すぎたのだ。「鷹をくくって」いたのだ。
「報告はいい。どういう事だね。何のために君たちのチームを派遣したと思っているのだ!何のための予算だ!分かっているのか!」
資料を持っていた愛理の上官の叱咤にイライラを隠せずにはいられなかった。が、耐える他ないのだ。
「スイマセン。」
感情等なかった。情報をよこさないそっちのミスだろうに・・・!
「謝って済むものなら警察の存在などいるまい!」
「分かっています。直ちにエージェントを送っています。あと20分後には・・・・」
「なんだね!その時間は!君の部下は亀より遅いのかね?」
愛理はぐっとこらえた。まだ耐えられる・・・!
「失礼します」
そう言い放ちそそくさと上官の部屋を出た。
全てはこの警察の悪い場面ばかり出ていた。連携の無さ。おのれの権力を示したい、無能な上官達。誰1人としてこの事態に正面から向かおうとはしない。ただこれを「事態」としか見ず何もしないのだ。それが原因で失脚するのが相当イヤなのだな。
「ゴミクズ共めが・・・・!」
廊下を歩きながらそんな事を言ってしまっていた。気はつけていた。
「あの子なら・・・」
思考を切り替え言ってみたはいいが、気が引けた。彼、映司は私のような生粋の警察官では無い。だからこそ本当は巻き込みたくは無い。わかってはいるが・・・。
携帯を取り出し、アドレス帳を出す。もちろん映司にかける為に。ボタンをプッシュし、電話をかける。電子音がかかり、ガチャという音がでて声が聞こえた。
「もしもし、映司君。コンビナートへ向かって・・・」
「もう向かってますよ。俺しか居ないんでしょ?なら行きますよ。俺は」
じゃ、切ります。そう言い、電話が切れた。
とりあえずは戦闘に慣れたエージェントが来るまでは持って・・・・!ただただそれだけだった。