「あなたはこれから日本を、もとい世界を守るためにあなたの力を公使してもらうわ。」
愛理は自信たっぷりに言って見せた。
「言ってる意味は分からなくは無いですが、この灯り何とかなりませんか?眩し過ぎる…」
あら。ゴメンナサイ。と言い愛理は灯りを消すように外の人間に指示を出した。
「あなたは今から私の課に所属してもらうわ。」
要は「私たちの部下になれ。異論はさせん。」という国家権力というのは分かった。
「協力するにしても俺は人を殺せない。というかあんたがすればいいじゃないですか」
英司は至極当然の事を言ったつもりだった。が、愛理は「はぁ…」と溜め息を吐き
「私が出来るならやるわよ。だけど私はあなたに渡して何故だが使えないのよ。何故かしらね。」
ね?と言い放ち愛理はそれで会話を切った。
「でも俺はもう人は殺さない」
「最後の一人になれなくてたくさんの犠牲者が出るわ。」
「カードを使えなくしたらいい。これで人を殺さなくて済む!」
「戦いはそうは行かない。」
「人殺ししか考えなかった人間は言うなよ!」
愛理は黙った。そんな甘ちゃんでは生き残れないのはわかっていたが、これ以上口うるさく言ったところで何も変わらない。と思ったからだ。
「一つだけ言っとくわね。」
愛理は立ち上がり言った。
「その覚悟でアナタは死なないでね。」
愛理が願った。ただそれだけだった。
「よく分かりませんが俺は死なない。死ねない。」
「アナタは生き残る。私達のチームが精一杯カバーするし。」
「チーム…?何とか課って奴ですね?」
「覚える気が無いのはよく分かったわ。まぁ、また紹介するわ。」
「は…はぁ…。」
それで今日は終わり、英司は家路を辿っていった。
「なんか買って帰ってやるか…。」
そんな事を思いながらお空に登る月を見た。
「明日は雨かな?」
月が雲がかっていた。
「月曜日か…しんどいなぁ…。」
昨日、今日の一件があったから、よりだ。今日位は休んでも良いんじゃないか?とも思えていたが、英司は自分が通う高校へと足を進ませていた。
「やぁ!浮かばない顔をしてらっしゃるね!」
英司の肩を軽くど突くように叩かれた。
「いったぁ…。なんだよ!和真!」
英司は和真と呼んだ少年の方を向いた。和真はハッハッハッ!と笑い
「スマン。まぁ怒るなよ。な?」
英司はこういうのは慣れていた。五年も付き合いを持てばこうもなった。
おはよう。と互いに挨拶をし、和真は話の話題を切り出した。
「どうした?そんな連れない顔してさ!」
「ちょっと休日は疲れただけさ。」
「夜なべしてゲームでもしてたか?」
「まぁ、そんなもんさ。」
勿論違った。だが昨日一昨日の事を喋ったらコイツの巻き込む可能性があったからだ(信じないという可能性の方が高いかもしれないが。)
「夜更かしほど良くない物はないぞ~!」
「徹夜してまで人から借りたゲームやってた奴が言うか?」
学校に付き、ホームルームが始まった。目の前の教壇に立つ自分の担任、岡田が何かを喋っていた。
「ニュースにもなっているからみんなも知っていると思うが、大谷町の路地裏にて死人が二人出た。殺し合いをしたそうだ。」
岡田は深刻そうな顔をして言う。それもそうだ。人がこの近くの地域で死んでいるのだから。
「気休めだが気をつけて帰れよ。このご時勢、世の中じゃ何が起こるかわからんからな」
岡田自身もそう言うが100%では無かった。そしてその場にいた映司もなるべく表情を隠してその場は乗り切った。
「誰だって死にたくないはずなんだ」
そのはずなのに・・・なんだって殺し合う必要性があるのさ。
「力が野心を呼ぶのかよ」
誰か最後の1人になるまでは終わらない勝負。そんな「くだらない」勝負にかかった自分の責務、そして戦いはなんとか終わらせなければならない。
!!大きく爆発音がした。窓を見ると、近くのコンビナートが燃え盛っていた。
「はあ・・・。派手な事するのはあんま好きじゃないんだよね~。先輩~」
映司とそう年齢が変わらないマスクをした少年はぼやいた。
「るせえよ。俺の能力は爆弾なんだからよ~使えるだけ使おうぜ。タダなんだからよ。」
先輩と呼ばれたプロレスラーのような大柄な男は手に持っていたボトルを飲み干した。
「あとこんなに騒いだらあとでボスになんか言われませんかね~?怖いすよ~。あと酒くさいっす。任務中位はやめてくださいよ~。」
「ああ??俺に酒もタバコもやめろってか?」
いきなり先輩の口調は変わった。
「いや・・・・。せめて、任務中は、ね?」
「こんなとこでどっかのバカがうちの部下殺すから根絶やしなんざ・・・・」
「愚痴ってる時でスイマセンが、きましたよ。警察」
後輩は言葉を切った。
「はあ。だりい。さっさと片付けるか。」
「了解~」
2人はあの「カード」を何の為らいもなく取り出した。その時点から勝負は決まっていた。