ディケイド小説2 | 甲斐白夜は改造人間である。彼を改造した大ショッカーは悪の秘密結社である。

ディケイド小説2

「どうなってる?何故クウガとアギトの世界が融合している!?」士はこの事態に苛立っている。

「原因はユウスケよ」キバーラが現れ答えた。

「俺・・・?」ユウスケはキョトンとしている。

「そう。クウガとアギトの世界は元々他のライダーの世界とは違ってちょっと特殊な世界だったのよ」

「特殊な世界だぁ?」士は怪訝そうに聞き返す。

「あなたち、アギトの世界に来て最初に何を思った?」

「え・・・?そりゃ、てっきり自分の世界に戻ってきたのかと・・・だってあまりにも俺の世界とそっくりだったから」ユウスケが答える。

「そう、似てるのも無理はないわ。だって元々、クウガとアギトの世界は一つの同じ世界だったの」

「なんだと?」

「大分昔の話よ。そうねぇ・・・グロンギが誕生するもっと前の・・・」

「そんな昔にまで遡るの?」ユウスケは驚いている。

「そう。グロンギより以前にアンノウンが誕生したのよ。そして最初のアンノウン・オーヴァーロードがグロンギの誕生を予見し、世界を二分割した。人間にとってもアンノウンにとっても忌むべき存在だからね。」

「そういえばあの牛みたいなアンノウンも言ってたな。人間を守るって・・・もしかしてアンノウンて実はいい奴だったとか?」ユウスケは冗談交じりに言った。

「どうかしら?とにかくそれでクウガとアギトの世界は2つに別れたんだけど、ここでオーヴァーロードの誤算が生じたの」

「グロンギを追い払ったクウガの世界でも人間は誕生し、1つの世界として成長し始めたの・・・」

「つまり今のこの状況は結局は元の鞘に納まるってことだろ?別にいいじゃねえか」士が口を挟む。

「それがよくないのよね~今のクウガとアギトの世界は以前のような半分の世界じゃなくて、もうすでに1つの世界として互いに成長してるの。これはもう融合というより衝突ね。」

「そんな・・・じゃあこの世界は滅びてしまうのか?」ユウスケは不安になる。

「それだけじゃないわ。これに他の世界がつられ次々とこの世界とひとつになろうとする。それこそ世界の破滅よ。今はまだ完全には一体化してないから大丈夫だけど、そう長くはもたないかもね・・・それに多分ここには厄介な問題がもう一つあるわ」

「もう一つの厄介な問題?」ユウスケが聞き返した。

「今の状態はあなたたちが旅したクウガの世界でもアギトの世界でもない・・・だからグロンギとアンノウンはまだ存在している・・・」

「なんだと!?奴らせっかく倒したのに・・・!」士は苛立ち机に大きく拳をぶつける。

「それも、あなたたちが戦ってきたグロンギやアンノウンとは違う、もっと強力な奴らよ。まぁ今の所、動いてるのは弱っちぃ奴らだけど・・・」

「俺のせいで、また誰かが傷つく・・・!くそっ!!」ユウスケは立ち上がり外へ飛び出そうとする。

「待ちなさい!ユウスケ!」それをキバーラが一喝し止める。

「なんだよ!?グロンギたちが動いてるならこの世界の人たちも助けないと!」

「それはいいけど・・・あなた、この世界ではクウガに変身しちゃダメよ」キバーラが冷静にユスウケに話す。

「どういうことだよ!?」

「この世界はまだ完全に一つになってるわけじゃないって話はしたわね。今はクウガの世界でもアギトの世界でもないってことも」

「ああ、聞いたよ。だからなんだよ!」

「ここであなたがクウガに変身すれば世界が反応し一体化も加速する・・・まぁディケイドはそんなことすら関係ないけど・・・」キバーラは士の方をチラッと見る。

「けっ」士はそんなキバーラに悪態をつく。

「わかった。変身はしない。でも、このままじっとしてるなんて無理だ!俺は行く!!」ユウスケはヘルメットを持ち外へ向かう。

「ユウスケ!」夏海はユウスケを追いかけるが、ユウスケはトライチェイサーに乗り走り出す。

「士君。ユウスケを追いかけて助けてあげてください」夏海は士に諭す。

「ったく・・・仕方ねえな。ま、何も考えずに突っ走るなんてあいつらしいか。さっさとグロンギとアンノウンぶっ倒して次の世界へ行くか」士は立ち上がる。

「多分あなたじゃ無理ね」キバーラはあっさり言い放つ。

「どういう意味だ?」士は不機嫌そうな顔で聞き返す。

「この世界を救う方法は確かにあるわ。小野寺ユウスケ・・・仮面ライダークウガを倒すことよ」

「なんですって!?」夏海は驚愕している。

「元々ユウスケ、つまりクウガの存在が一体化の原因。だから彼を倒して存在を完全に消せば元のクウガとアギトの世界に戻るわ」

「でも、あなたにそれができるわけないわね」キバーラは悲しげな眼で士を見る。

「なるほど・・・そんな簡単なことでいいのか」士は意外にもあっけらかんとしている。

「士君・・・?ま、まさか・・・」夏海は最悪の事態を想像している。

夢で見たディケイドとクウガの戦いを・・・

「俺は全てのライダーを破壊する者だ・・・元々、そういう運命だったのさ」

「違います!士君は破壊者なんかじゃ・・・悪魔なんかじゃありません!」夏海は目に涙を浮かべながら士に詰め寄る。

「どけ、夏みかん」夏海は士の行く手を阻む

「どきません!」

「どけ!」

「どきません!!」

「おおお落ち着いて。士君も夏海も!」栄次郎が二人の押し問答を止めに入る。

「悪い・・・!」士は夏海の腹にパンチを一発

「うっ・・・」夏海は気絶した。

「夏海・・・」

「じいさん、夏海を頼むぜ」栄次郎に夏海を預け、マシンディケイダーに乗りユウスケを追う。

(元々、ユウスケを旅に連れ出したのは私だし、責任も感じてるけど・・・まさかこんな事になるなんて・・・できれば他の方法を探したいけど時間もない・・・ごめん・・・ユウスケ)キバーラはただユウスケのことを想うことしかできない。

そして次元の間にいる鳴滝と海東は・・・

「こんな世界に、僕の望んでるお宝はなさそうだし、さっさと次の世界に行きたいんだけど・・・このまま放っておいたらいずれ他の世界もつられて一体化し世界は消滅・・・そうなったら僕がこれまで集めたお宝がパーだ。それは嫌だからねぇ・・・鳴滝さんは知ってるんでしょ?この世界をどうにかする方法・・・教えてくださいよ」海東は鳴滝に問いただす。

「ああ、知っている・・・小野寺ユウスケ・・・つまり仮面ライダークウガを倒すことだ。くっ・・・本来ならキバの世界でディケイドを呼び寄せるためだけにキバーラが連れてきたのだが、こんなことになるとは・・・!」鳴滝は悔しさで顔を紅潮させている。

「なんだ、そんなことでいいんですか。じゃあ、さっさと行ってくるかな。それに僕・・・彼みたいなタイプ好きになれそうにないし丁度いい」海東は無邪気な笑顔で言い放つ。そして出て行った。

「相変わらずの性格だなディエンド・・・やはり、あまり敵には回したくない男だ・・・」