ディケイド小説9
士はユウスケを担ぎ写真館に戻ってきた。
後ろからショウイチやG3ユニットの面々もついてくる。
士はユウスケをソファの上に横にして寝かした。
「ユウスケ・・・」夏海はユウスケの怪我の手当てをして額に濡らしたタオルを乗せる。
「ま、命には別状ないだろ。クウガのベルトに埋め込まれてるアマダムって霊石の力のおかげだな」
「そろそろ事情を聞かせてもらっていいか?」ショウイチが話を切り出した。
「そうだな、それより何でショウイチがこの世界にいるんだよ。つーか何で八代も連れてきてんだ?それにその2人はなんだ?」
「俺もよくはわからん。気がついたらこの世界にいて、お前たちなら何か事情を知ってるだろうと思い探してる途中で八代たちとも偶然接触してな・・・いきなり攻撃されて大変だったが、なんとか誤解も解けたし何かの力になるだろうと思って連れてきた」
「いや~あの時はすみませんでした」マコトがショウイチに頭を下げる。
「ショウイチくんといい君といい、どうして私のことを知っているの?」八代が士に訊ねる。
「そりゃ知ってるに決まってるだろ。何言ってんだ?」
「この世界の八代さんは世界が一体化され始めて、新たにそこの2人の存在が誕生したことで記憶が創りかえられてるみたいね」キバーラが説明をした。
「なるほど・・・異変はそんなとこにも影響を与えてたんだな」
士はこれまでの状況を話した。
「世界の崩壊・・・なんか突拍子のない話でとっつきにくいですね・・・」長い沈黙の後マコトが口を開いた。
「だが、お前たちも感じてるはずだ。全ては事実だ」
「彼を消せば世界は救われる」八代は寝ているユウスケに視線を向ける。
「ま、今となっちゃ、それも無意味らしいがな」士が一喝する。
「別に彼を消そうなんて思わないわ・・・なんか、ほっとけない感じがするの・・・」八代は優しい目になりユウスケを見ている。
「これからどうするつもりだ?」ショウイチが士に訪ねた。
「さあな。この世界を元に戻す方法はわかんねーし。それ以前にあのダグバとかいう奴らやオーヴァーロードも放っておけないからな。とりあえずは奴らをぶっ倒す」
「そうか・・・なら俺も力を貸そう。俺もこのまま世界の崩壊に黙ってじっとしてるわけにはいかないからな」
「僕にも協力させてください!」マコトが立ち上がる。
「ちょ、本気ですか尾北さん!?」
「そうね、このままショウイチくんたちに任せてたらG3-Xを作った意味ないもの」
「好きにしろ」士は笑みを浮かべそう言った。
その夜・・・
横になっているユウスケの傍らで休む士。
「なあ、士・・・」ユウスケは士に語りかける。
「なんだ、目が覚めていたのか」
「ああ、みんなの話も聞いていた」
「そうか」
「・・・俺を倒してくれないか士・・・」
「・・・」
「今ならまだ間に合うかもしれない。お前に倒されるなら俺も本望だし・・・」
「くだらないこと言ってんじゃねーよ。前にも言ったが世界の破壊者は俺だ・・・お前じゃない。世界が崩壊しようがお前のせいじゃねーよ」
「士は・・・破壊者なんかじゃ・・・悪魔なんかじゃないよ。俺はそう信じてる・・・だから・・・」
「あ~もうこの話は終わりだ。明日はあのムカツク奴らを探し出してぶっ倒さなきゃならないんだからな」士は無理やり話しを終わらせて眠る。
翌日、ユウスケは目を覚ました。
士はまだ眠っている。
ユウスケは士に施されている手当ての痕を見た。
「士・・・お前は俺のためにこんなに傷ついて・・・アギトの世界でも俺や姐さんのために体張ってショウイチさんを守って・・・ごめん・・・そしてありがとう士・・・」
ユウスケは寝ている士に礼をし一人出て行く。
「どこへ行くのユウスケ?」キバーラが問いかける。
無言で歩くユウスケ。
「・・・一人でダグバたちと戦うつもり?」
足を止めるユウスケ。
「無謀ね。今のあなたじゃダグバどころかバルバにすら勝てないわ。ま、あなたの考えてることはわかってるわ。死ぬつもりでしょ?」
「・・・俺にはどうすればいいのかわからない・・・でも、これ以上士が・・・友達が傷つくのは嫌なんだ・・・」
そしてユウスケはダグバの力を感じる遺跡跡にトライチェイサーを走らせる。