ダンスのリハーサルの、初日だった。

ある人がいる。
その人はいつもリハーサルを見学に、来れそう来れそうと言いながら、来れない。
いつもそうだと言っている人たちがいた。

そうしたい気持ちはあるのかもしれない。
でも、するのが難しければ、最初からそう言わなければいいんじゃない?
そうすれば、みんな無駄に寂しい思いをしたりガッカリしたりしなくてすむのに。
その人に限らず、そうやって期待を裏切ることで、何倍も自分の希少価値を上げている人が多い。

そういう人のことは、なるべく言葉少なくかわし、わたしはわたしのやることに集中したほうがいいかもしれない。

基本的に覚えるのは苦手だが。
前回の公演で学んだことを活かし、前回よりはやりやすくなった。
振付師は前回と同じ人だが、良くなったと言った。
振付の段階でリハーサルに参加しているという点も大きい。
左右グループに分かれてシンメトリーで踊るところで、丁寧にどちらのグループにも合わせて教えてくれた。

弱点を強化するというよりも、自覚してそれを補うことで克服するという方法もあるかもしれない。

わたしは初回や第一印象で損するタイプだと思う。
美人でもなく、初回に踊らせてみても覚えるのが遅く、緊張すると表情も固くなる。
それらは連動している。
その結果、状況が劣勢になる。
立ち位置を後ろに回されたりする。
それはテンションにも影響する。

年齢がいってから色々やるのは、精神的にも大変だというのは、そういうことかもしれない。
年齢のせいだけではないが。
逆にそれを自覚できるなら、心の準備ができる、評価が上がればラッキーだと思える。
第一印象で高く評価されるのは難しくても、そういう挽回のチャンスもあるのだ。
まずは半人前で受け入れてくれるところを探そう。

わたしは他の団体の公演情報も調べている。
年齢制限があるところはもちろんだが、オーディションで課題をその場で覚えて踊るようなところは、受かるのが難しいと思っている。
年齢不問で、課題を準備してきて踊れるところのほうが合っていると思う。

わたしは年齢はあまり気にしたくないが、世間が気にするとしたら。
年齢のわりに若々しく、年齢のわりに成熟していると思われたい。
良い意味で。
いつまでも、どこか妹のような人だと思われたい。

何かできることがあって、それを年の功だと言われても嬉しくはない。
経験が邪魔になるのか、ならないのか。
経験豊富なオバサン、年齢のわりに経験のない取り柄のないオバサン、どちらにもなりたくない。 

結論。
人それぞれだと思う。
年齢と対比して考えることじたいが、おかしいと思う。

一回だけ、石田ゆり子さんっぽい、と言われたことがある。
去年あたりに。
多くのファンに怒られそうだが。
原田知世さん、吉田羊さんっぽいと言われたこともある。
みなさん若々しいと評判の方ばかり。
お世辞にも言われないよりいいかもしれない。
その言葉を励みに頑張ろう。
確かに、服装もメイクも普段はああいう感じがいい。
好きというより、心地良い。
ショーの時はもっと華やかになるほうがいい。

公演を通して、人との交流が増えたのは良かった。
舞台仲間や、そういう仕事で繋がる人たちは、友達ではなくてもわたしを有意義な気持ちにしてくれる。
だらだら話し合うだけの友達より、ずっと有意義だと思う。
そのうち、ここでも宣伝しようかな。

来年も沖縄に行く。
その時は彼を親に紹介する。