今日は、バレエ発表会のレッスンだった。

発表会まで数えてレッスンが残り2回。
生徒だけ集まってやる自主練と当日の舞台上でのリハーサルと含めると、残り4回。

グループごとに踊って、他のグループがその踊りを観察して、客観的に意見を出し合う時間があった。
わたしは前回の動画を見て研究したことを意識した。
見る方向を決めること、手脚を引き伸ばすこと。
1回目にわたしのグループが踊った時に出された意見は、
笑顔がなくて怖い・腕が伸びていない・焦っている感じに見える、だった。
グループ全体に対して言っていることなので、特に誰がという言い方はしなかった。

テーマが仮面舞踏会で、音楽もシックでミステリアスなので、笑わないほうがいいと思っていた。
仮面舞踏会は、どんなものだと思いますか?
と先生がみんなに聞いた。
みんな素性を隠して、普段とは違う自分を解放して好きなように振る舞う場、と言う人がいた。
ロミオとジュリエットに出てくる場面のような感じ、と言う人もいた。
わたしは映画のエントラップメントのような感じをイメージしていた。
考えてみれば、同じ仮面舞踏会でも、ストーリーが違う。
ロミオとジュリエットは、恋人たちが出会う場面。
エントラップメントは、美術館から物を盗む場面。

笑顔で踊るなら、ジュリエットをイメージするといいかもしれない。
オリビア・ハッセーをイメージするといいかもしれない。
人に言うわけではないし、それがダイレクトには伝わらなくていいから。
昔、顔の雰囲気が似ていると言われたことがあるし(笑)
初めて、仮面舞踏会に行く気分は、ウキウキ・ワクワクしたものかもしれない。
それを表現したい。

正直、典型的な好かれる人になりたいとは思わない。
わたしは憧れの人の背中を見て背中を追っていたい。
それを言うわけでもないが、好きになってくれるなら、そんなわたしを好きになってほしい。

今回の発表会は、もしかしたら憧れの人も見にくるかもしれない。
発表会を担当する先生のひとりが、あの人のバレエ仲間だから。

先生いわく、プロの舞台が人を惹きつけるとは限らないという。
プロの舞台は、綺麗で当たり前。
見ていて退屈するだけの人もいる。
極端に言うと子供の舞台であっても、楽しそうに踊っていたら、プロの舞台よりも人は惹きつけられることもあるという。
確かにそうだと思う。
わたしは、それがプロの舞台であっても、綺麗以上の何かがないと惹きつけられない。
わたしの中では、ガリーナ・メヅェンツェワとその他の綺麗なバレリーナと考えると分かりやすいかもしれない。

わたしが焦ってしまうことには、仕方のない部分もあった。
今日になって、グループで移動する時にわたしが後ろから迫ってくるように感じられるので、車間距離をあけるように動いてほしいと前の人に言われたばかりなのだ。
それは気をつけるが、焦らないでそうなるには慣れるしかないと思った。
わたしは全体のフォーメーションのバランスにとって重要な位置にもいる。
今日あらたに指摘されたことも意識しながらやると、急にはあれもこれも自然にできないのだ。 
今日あらたに指摘されたことは、曲げる・伸ばすをハッキリとすること、ある向きを変えること。
音のとり方は1・2・3の1で立つこと、みんなで音のとり方を揃えることだった。

2回目に踊る時は、笑顔で・もっと腕を伸ばすこと・前の人に合わせて柔らかく動くこと、を意識した。
観察していたマダムに(メンバーの中では最年長?)、
笑顔が可愛いんですね〜こんなに笑顔が可愛かったなんて〜!と言われた。 
わたしは、名指しだった!
メンバー全体に笑顔が足りていないと言っていたが、その中でもわたしは特にそうだったようだ。
何かに打ち込んでいる時、考え事をしている時、深く生真面目な緊張したような顔をしていると言われる。
普通に話す時は、気さくに話せていると言われるが。
腕に関しては、わたしは腕は伸びているほうだと言われた。

通常のレッスン後に、生徒だけ集まってやるレッスンもやった。
そこでもグループごとに踊って、他のグループが意見を出し合った。
わたしは、首が伸びていて綺麗、と言われた。
爪先も脚も綺麗に伸びている、と言われた。
見る方向を意識したこと、手脚を伸ばすことを意識したことは正解だったようだ。

ここではわたしの話だけになっているが、
みんなに対してビシバシと辛口の意見が飛んでいた。
わたしは、意見を言う隙がなかった。
年下の女の子でも率先して言っているのに。
正直みんなの踊りを見ていて何が悪いのか、すぐには分からない。
一呼吸おいて、考えてから、意見を言えるほうなのかもしれない。
決してグループのリーダーになるタイプではない。
みんなと同じ対等な立場のつもりが、いつのまにか周りが主導権を握っていて、わたしはついていく形になっている。
先生への発表会のお礼のプレゼントの件も、いつのまにか、みんなが話し合って決めていた。
みんなからのメッセージつきの花束を贈ることになった。

帰りは、ラデュレで、ホットティーとゼラニウムのマカロンを食べた。



ゼラニウムのスイーツは珍しかった。
ローズのスイーツなら、たまにあるが。
ゼラニウムは、ローズに香りが似ていてスパイシー。