いよいよ、聡思(さとし)が日本に帰ってくる12月20日がきた。
清花(さやか)は、成田空港で聡思を待っていた。
空港内は年末年始の帰国者たちで、ごったがえしていた。
清花(さやか)は、懐かしい聡思の姿を、人混みの中に見つけた。
会えば泣いてしまうだろうと思っていたのに、いざ会ってみるとまだ信じられない気持ちが一杯で、涙が出てこなかった。
「清花、綺麗になったな。その白いワンピース、似合っている」
そう言った聡思は、こざっぱりしたスーツを着ていた。いつでも光を見つめているような、眩しそうな大きな瞳は、以前と変わらない。
2人は、空港出口に停まっていたタクシーに荷物を積んで、後部座席に乗り込んだ。
「どこへ行きますか?」
運転手に聞かれ、聡思は代官山の帝国ホテルを行き先に決めた。
「久々に会ったんだから、優雅なディナーを食べよう。クリスマス・シーズンだもんなあ、きっとイルミネーションもやってるね」
聡思は、隣に座る清花の横顔を見て微笑み、シートの上の清花の手に彼の手を重ねた。
「清花。香水つけてるな、いい香りだ。俺の好み、覚えていたのか?」
清花は、思わず涙ぐみそうになって、あわてて窓の外の景色に目をやるふりをした。涙をこらえていた。センチメンタルな雰囲気は苦手だった。
タクシーは帝国ホテルの駐車場に着いた。
「荷物はロビーでお預かりしましょうか?」
フロント係がたずねた。
「いえ、今日は泊まります」
聡思は答えた。
「部屋に荷物を運んでください」
清花は、真っ直ぐ聡思のマンションに帰るかと思っていたので少し驚いた。
「レストランは屋上で御座います」
ベルボーイが2人をエレベーターへ案内した。
続く☆
清花(さやか)は、成田空港で聡思を待っていた。
空港内は年末年始の帰国者たちで、ごったがえしていた。
清花(さやか)は、懐かしい聡思の姿を、人混みの中に見つけた。
会えば泣いてしまうだろうと思っていたのに、いざ会ってみるとまだ信じられない気持ちが一杯で、涙が出てこなかった。
「清花、綺麗になったな。その白いワンピース、似合っている」
そう言った聡思は、こざっぱりしたスーツを着ていた。いつでも光を見つめているような、眩しそうな大きな瞳は、以前と変わらない。
2人は、空港出口に停まっていたタクシーに荷物を積んで、後部座席に乗り込んだ。
「どこへ行きますか?」
運転手に聞かれ、聡思は代官山の帝国ホテルを行き先に決めた。
「久々に会ったんだから、優雅なディナーを食べよう。クリスマス・シーズンだもんなあ、きっとイルミネーションもやってるね」
聡思は、隣に座る清花の横顔を見て微笑み、シートの上の清花の手に彼の手を重ねた。
「清花。香水つけてるな、いい香りだ。俺の好み、覚えていたのか?」
清花は、思わず涙ぐみそうになって、あわてて窓の外の景色に目をやるふりをした。涙をこらえていた。センチメンタルな雰囲気は苦手だった。
タクシーは帝国ホテルの駐車場に着いた。
「荷物はロビーでお預かりしましょうか?」
フロント係がたずねた。
「いえ、今日は泊まります」
聡思は答えた。
「部屋に荷物を運んでください」
清花は、真っ直ぐ聡思のマンションに帰るかと思っていたので少し驚いた。
「レストランは屋上で御座います」
ベルボーイが2人をエレベーターへ案内した。
続く☆