シアトルにいる聡思にメールをした翌朝、清花はベッドから起きてすぐパソコンを見た。まだ、聡思からの返事はなかった。夜遅くて朝早いのよね、きっとパソコンを覗く暇もないぐらい。清花は自分にそう言い聞かせた。
聡思とは、週に5回ぐらいメールのやりとりをしている。聡思が海外に行ったばかりの頃は、寂しすぎて1日に3回はメールのやりとりをしていたが、2年もたつと慣れてきてメールのやりとりが減った。かといって、気持ちが薄れたわけではなかった。以前にも増して、聡思の存在の大きさを心の底から感じる清花だった。聡思もきっと同じように感じているはずだった。時々、聡思からのポストカードが清花のマンションに届く。ポストカードの写真は、たいてい聡思が設計したHONDAの車の新作品だった。彼の会社が生産しているポストカードだ。仕事が忙しくて彼女が喜ぶような可愛らしいポストカードを選んではいられないのだ。それでもポストカードには必ず、心のこもったメッセージが書かれていた。締めくくりの言葉は、「早く会いたいね」、「心は繋がっているよ」、などだった。聡思は、清花の誕生日に、わざわざシアトルからジャスティン・デイビスの指輪を郵便で送ってくれた。それだけではない。清花の自宅から最寄りの花郵便に電話して、彼女の誕生日づけで花束も送ってくれた。スズランとフリージアの大きな花束だった。
清花はそんな聡思の気持ちを信じていた。

続く☆

PS.今日はボジョレー・ヌヴォーの解禁日&ミッキーの誕生日ですね(≧∇≦)