当ブログは、自閉スペクトラム症の当事者である僕が、いつも見ている世界をできるだけ詳細に言葉にしていくことで、皆さんに他者の価値観を鑑賞していただく試みです。
自由が大好きな僕は、意味のないルールが大嫌いです。それゆえ、先人たちが適当に決めたルールのもとで、不必要に制限が生まれることが我慢ならないのです。
現代人にとってキーボードは、第二の口とも言える大切な入力デバイス。この記事を書くのにだって使っています。
しかし、みなさんがよく使っている「QWERTY配列」のキーボードは、その誕生にいくつか説があるものの「早打ちされるとタイプライターのアームが壊れるため、わざと打ちにくい配列にした」なんて言われるほどに、非合理的な配列になっています。
「き」「で」「ざ」「む」とか、打ちづらい…
英語もそうですが、日本語なんてもう打ちづらくて仕方ないですね。無駄に手が鍵盤の上を踊っているとき、イラ立ちを感じて仕方ないのです。
キー配列を変更できるソフト、Karabiner-Elementsを使って、日本語が打ちやすい僕のオリジナルキー配列を考えた経緯を話してみます。
UK配列のすゝめ
まず、キーボードの打ちやすさは、どんなキーボードを選ぶかから変わるよ。
本当はそれも自作のものや、人間工学キーボードなんて言われるやつとかを使うと、もっと打ちやすくなるのかもしれないけど…。ノートパソコンを何も接続せずに使いたいときもあるよね。
僕はMacBookを使っているんだけど、大抵選べるのは、JIS配列、US配列、UK配列の3種類かな?
見比べるとどう?
見慣れているのは、JIS配列だと思うけど、「1」だけ大きいのとか、リターンキーが無駄に大きいのとか、ホームポジションが画面の中心からかなりずれていることとか、意味わかんないよ。
そう、僕らはゼロから考えていくんだよ!
どうせ、キー配列は変えるんだから、どのキーがどこにあるというのは、さほど問題にならない。大きいリターンキーも、何かしらの大きいキーがあるというだけ。
英数・かなのキーがあるのは、確かにJIS配列の魅力かもしれないけれど、Karabinerを使うと、別に他の配列でも導入したければできるから。問題にはならないよ。
(僕は「^+Shift」で事足りると思ってるから、入れてないけれど)
形と見た目以外で問題があるなら、単一のキーでのシフト入力の組み合わせかな。
例えば、「;セミコロン」のキーをシフトと入力すると、JIS配列では「+プラス」になるけど、US・UK配列では「:コロン」が出てくる。
僕としては、圧倒的にUS・UKのペアの方が、合理的に感じているよ。
見た目もごちゃごちゃしていて、せっかくスタイリッシュなMacBookの価値を下げているような気がするし、JIS配列を選ぶメリットは何も感じないから、基本はUS配列かUK配列がいいと思うけど、じゃあどっちにしようか?
僕は、中段の行にエンターが小さい分の一つと、下段のZの隣にも一つキーが多いUK配列がいいと思う。それに、リターンとかシフトとかが記号で書かれているのが、情報量が少なくてスタイリッシュだと思うんだ。
でも、逆に文字だけのUS配列の方がスタイリッシュだと思うならそれでもいいと思うよ。とりあえず、考えなしにJIS配列を選ぶのだけはやめよう!
ここからは、UK配列を選んだとして、キー配列を考えていくよ。
クリハロ配列完成
日本語の特性として、ほとんど母音と子音が交互に並ぶことが挙げられる。
そこで、左右の手で母音の担当と子音の担当を決めて、両手を交互に動かせるようにしてみよう。だけど、打鍵の際に使うのは、大抵、親指以外の4本で、母音は5つだから、どれか指を被らせないといけないね。
どれを、ペアにしよう…
ここで、重要になってくるのは、日本語の文字の頻度分析だ!
どんなときも、先行研究を調べるというのは大事だね。どのようなキーが連続しやすいのかなどを調べてみると、すでに最適な日本語のローマ字入力におけるキーボード配列を、研究している人を見つけた。
そ、そんな…。確かに、大西さんの配列は、とてつもなく研究されているし、良いのは確かなんだけど、自分で考えたいじゃないか!(これでいいと思う人は、使ってみてね。)UK配列用ではないしね。
それに、この配列を実際に使ってみると、僕はマジックとかピアノとかが趣味だからか、小指が使いづらいとか、前提になっていることがあまり感じられなくて、特有の問題点に気がついた。
- 「Z」「X」「C」「V」の場所が固定されている。
- 「L」が無駄に打ちやすい。
- 「YI」「WI」なども無駄に打ちやすい。
- 「K」は指を動かさずに打ちたい。
- 左から右への連続の方が打ちやすい。
- 句読点を打った直後は、次の文字を入力しない。
- リターンキーが遠い。
- マイナスとプラスは隣り合わせにしたい。
- 「?」が打ちづらい。
そこで、そんな悩みを解消すべく、僕なりに大西配列を基礎として実験を重ね、次のような、クリハロ配列を生み出したんだ。
親指でシフトが使えると、シフトを押しっぱなしにしているときも、簡単に入力ができるよ。
「Y」「W」も、「I」となら、母音側にいても何の問題もない。
それから、僕は「^Control+Shift+P」で、今打ってきたところを選択して、「⌘Command+C」でコピーみたいなことをよくするんだけど、これもとてもやりやすい。デリートキーがすぐそばにあるのもいいね。
もうこの配列で慣れているし、あまり変えたくない気持ちもあるんだけど、実はこれって、まだまだ改善の余地が残されていると思っている。
特に、レイアー(通常のキーが、ある特定のキーを押しながら入力すると、別の入力として扱えるようになる設定)を一切使っていないことが問題だよね。
数字とかもっと上手くできそう…
あとは、親指をもっと使いたい気もする。ホームポジションは「F, J」の位置だと盲信してきたけれど、もしかしたら、一段上の「R, I」の位置の方が打ちやすいのでは…とかね。色々考え出すと、もっと良い配列もできそうだよね。
そんなわけで、今回は未来への期待も込めて(一)ってタイトルにつけておいたんだけど、(二)はいつになるかな。うーん、いまのところ不明です…。