当ブログは、自閉スペクトラム症の当事者である僕が、いつも見ている世界をできるだけ詳細に言葉にしていくことで、皆さんに他者の価値観を鑑賞していただく試みです。
唐突にブログをはじめてみました。
僕は、Dec25 Oct31と言います。
孔子は述べました「必ずや名を正さんか」と。
『千と千尋の神隠し』でも、名前は重要な役割を持っていました。
簡単に読めて、簡単にその人だとわかり、その人らしい響きや意味を持つ名前というのはとても大切なものなのです。
と、わかってるのに、Dec25 Oct31か…
はい、確かに、読みやすくないです…
この名前で、6年あまりネット上を生きてきましたが、初めての方には基本「なんと読むんですか?」と訊かれてしまいます。
しかし、それなりにこだわりを持って名付けたものですから、改名をしようと思ったことは一度もありません。
当ブログでは、この“こだわり”というのは大事なキーワードになってきます。今回は初めてのブログとしての練習と自己紹介も兼ねて、この名前のこだわりについて、話すことにします。
名前の読み方とその意味
まずはこの名前Dec25 Oct31は、12月25日と10月31日の日付から「クリスマスハロウィン」と読みます。
DEC や OCT というのは、月以外にも意味があって、進数表現の底を表すのに使われることがあります。進数表現、n進法とかを忘れてしまった人は高校数学を思い出してくださいね。
進数の記法
HEX:16進数
DEC:10進数
OCT:8進数
BIN:2進数
例えば、n進数の1234という数は、
1×(n)³+2×(n)²+3(n)¹+4
というように計算できましたね。
この n がいくつなのかを示しておくのに、英字3文字で表す記法があるわけです。
さて、DEC と OCT に注目してみましょう。
Dec25 Oct31という名前は、「10進数の25」と「8進数の31」と解釈することができます。
10進数は、私たちが日常的に使っている数なのでいいとして…
8進数の31とは、10進数でいうといくつになるでしょうか?
3×(8)¹+1 で……あ!
そう、こちらも25になります。つまり…
DEC 25 = OCT 31
となるのです。
この事実から「数学者はクリスマスとハロウィンを間違えてしまう」という数学的なジョークがあり、これを面白いと思った僕は、Dec25 Oct31(クリスマスハロウィン)という名前で活動することにしたのでした。
知らない人の自己紹介を読んでいたら、いきなり数学の授業が始まったぞと、多くの人が離脱してしまったかもしれませんが、数学の話はこれくらいにして自己紹介を始めます。
クリハロってどんな人?
改めまして、クリハロです。
僕は、すべての人が取り残されることなく力を発揮できる社会を目指して、数学教育の視点から教育者を目指して勉強中です。
年齢は非公開にしていますが、教育者ではなく、勉強中と言っているように、研究室に通っている若者ではあります。
数学は小さい頃から大好きで、今は特に離散数学という分野に関心があります。
一番の趣味は、作曲をすることです。
YouTubeには、VOCALOIDを使った楽曲を投稿しています。
↓こちらは最近作った曲です
他にも、手品や言語について考えること、文章を書くこと、色々と趣味がありますが、押し並べて、頭を使うことだけなのです。体を使うことは大の苦手ですし、とにかくできるだけ避けたいと思っています。
なんとなく、見た目もイメージしてもらいたいので、容姿も箇条書きで書いてみましょう。
・身長は普通だがとても痩せている
・首は長くマッチ棒みたいな体型
・黒髪でマッシュっぽい髪型
・ただし、針金のようなストレート
・ボストン型メタルフレームの眼鏡
・ただし、強度近視の分厚いレンズ
……うーん、改めて書いてみると、陰キャ感丸出しなんですが、これらは幼い頃からほとんど変わらないアイデンティティかもしれません。ただ、そうですね……
Dec25 Oct31のアカウントが生まれたての頃、誕生日プレゼントに頂いたイラストを用いたこのアイコンは、デフォルメ感があってかわいらしいので、とりあえずこんな感じでイメージしておいてください!(親しみは大事!)
そして、このブログのテーマでもある、自閉スペクトラム症(ASD)があります。
知的障害を伴わない俗に「高機能自閉症」と言われるもので、むしろIQはかなり高いです。
じゃあ、何が困るのかというと、とてつもない“こだわり”が真っ先に思い浮かびます。
これからの記事で詳細は書いていきますが、着る服や食事、部屋のレイアウト、時間、作品制作、ルーティンなどなど…強いこだわりを持って実行し、たまにそれが達成できない状況に陥ると、パニックになったりします。
また、感覚過敏があって、騒音や単純な音の繰り返しが苦手だったり、マスクの感触が苦手だったり…(これはコロナ禍にはかなり困りました)人間関係も上手くいかないことが多いです。
どうしてこんな当たり前なことなのにできないんだろう…
と、落ち込むこともあるし、パニックになったりすると、後から申し訳なさが溢れ出してきて、ひどく後悔することもあります。
それから、人と話すことは、あまり得意ではない僕ですが、文章をつらつらと書いていくと説教くさくなる傾向にあるので、このブログでは聞き役を用意しました。
モラリとおしゃべりをしているような感覚で、こんな僕だからこそ書けることを、まとまりもなく書いていこうと思います。(次回からは、もっとフランクな文体になりますが、ご容赦ください。)
どんなブログにしよう?
さて、このブログのタイトルは、
と、なっておりますが、自閉症の特性については、大きく個人差がありますし、僕には医学的な知識も全くありませんので“自閉症の解説”のようなことはしないでおきたいと思っています。
具体的な自閉症児との接し方などを知りたいと考えている方は、そういった記事は多くありますし、育児や療育をしていらっしゃる方のブログの方が参考になります。
では、当事者として僕が書けるものとは何かと考えると、僕の見ている世界を皆さんに見せることではないかと思ったわけです。
「こんな人もいるんだな〜」と、多様な他者の価値観や人間性を覗いてみて、ご自身の身の回りの人との、ちょっとした感覚のズレやイライラに、寛容な心を持てるような「やさしい時間」を提供できたらいいなと考えております。
僕自身としても、あまり多くの人が感じないかもしれない“日々のもやもや”を言語化し、整理することで心を落ち着けることができるんじゃないかと期待しています。
ところで、僕には、高校二年生の国語の教科書で印象に残っている作品があります。
それは、村上春樹さんの『自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)』という作品で、次のような一節がありました。
あなたが牡蠣フライについて書くことで、そこにはあなたと牡蠣フライとのあいだの相関関係や距離感が、自動的に表現されることになります。それはすなわち、突き詰めていけば、あなた自身について書くことでもあります。それが僕のいわゆる「牡蠣フライ理論」です。
そう思うと、積極的に「私とは何か」と書くことは、とても難しいことですが、自分が好きなものや、自分が見えている世界を、自分というフィルターを通して表現することで、この僕自身というものが見えてくるのではないでしょうか。
このブログにおいては、一人ひとりの「世界の見え方」から個人を知っていくという、この精神を大切にしていきたいと思います。他者の世界観を知ることで自分の価値観も広げていく。これこそ世界鑑賞と呼ぶことにしましょう。
最後に今後のブログ運営に関するお知らせとお願いです。
当ブログでは記事の内容に合わせて、カテゴリー分けをするためにテーマを用意しています。
下記説明をご参照の上、好きなものを閲覧ください。
テーマ一覧
なやみごと
僕の特性や性格によって、暮らしの中で困ったことを書きます。
ひとしごと
数学をはじめとする学習や教育に関する内容を解説します。
ならいごと
芸術をはじめとする娯楽に関する話題を一緒に楽しむべく取り上げます。
ひとりごと
ニュース・時事に対して思ったことやふとした疑問などを綴ります。
ぼくのこと
悩み事ではない個人的な内容を日記のように記していきます。
また、すべての記事において、コメントは承認制にしていますが、露骨な誹謗中傷等のコメント以外は承認しますので、どしどしコメントお願いします。任意の記事におけるコメント等で、僕とやり取りをある程度した上で、アメンバー申請していただければ、それも了承いたします。
アメンバー限定公開の記事では、例えば、身体的なこと、住んでいる場所、特定できそうな過去の話、一時的な気分で書く悩み事など、詳細な情報についてお話ししようと思っています。
今後とも、僕の世界鑑賞をどうぞよろしくお願いします。