今日は東日本大震災から3年。

3年前…私は資格を取る為に、地元の学校で勉強をしている時だった。

就活支援で来てくれた、キャリアコンサルタントの先生の話に飽きて、今日のご飯は何にしようかな~?息子を保育園に迎えに行って買い物しながら考えよう!なんて上の空でいた時に、揺れが来た。

立っていられなかったし、パニックだった。

揺れが止まって、どうしようか…すぐに息子を迎えに行かなければ!!と思った矢先に、聞いた事がない無線がなった。
防災無線だ。

よく聞こえないけど、防災無線の後には人が『…メートルの津波が…』と話しているのが聞こえた。

津波とは、どんなものなのか分からず、足の太もも浸かりながら、息子を迎えに行くんだろうなと軽く考えていたけれど、私の地元は昔から水害で悩まされてきた海岸の街。

小学校の時に習った、水害で浸水した地域が赤に塗り潰されている地図が蘇る。

ここは…浸水地域だ!!
多分、高台に行かないと身動きが取れなくなるんじゃないか!?と思い、学校の先生に伝えると『チリ地震の時の津波も大したことはなかったから、屋上に避難して様子を見よう。』と言われた。

でも私は、防災無線があんなに鳴り響いているのを聞いた事がなかったし、パニックだったし、絶対にここにいてはダメだと思ったから『ここは浸水地域です!!大丈夫だったとしても高台に逃げた方がいいですよ!!逃げましょう、私は高台に向かいます!!』と言い、生徒数人と高台に向かおうとビルを出たら、消防車がサイレンを流して、スピーカーで通行人に物凄い罵声をあげていた。

『何やってんだ!?こっちはダメだ!!あっちだー!!早く上上がれっ!!津波が来るぞ!!』

この消防車の罵声を聞いて尋常じゃないんだと思って、高台とは逆に向かう人に声を掛けて、高台を目指した。

息子の安否も気になった。
でも、連絡が取れなかった。

高台の避難所で、消防士に保育園の情報はないか!?迎えに行きたい!!と伝えたが『こういう状態でこちらも連絡が取れない、息子さんが保育園にいる限り、きっと保育園の方できちんと避難しているはずだ、それを信じるしかない、ここから保育園まではどうしても海近くを通らなければいけないから、行かせる訳にはいかない。息子さんが大丈夫であったのにお母さんがダメだったらどうする!』と説得され諦めた。

避難所で途方に暮れていたら、息子と同じ保育園に通う私の同級生でもあるママから連絡があり、息子が保育園の先生と近くの小学校に避難している事を教えてもらい、私が高台の避難所にいる事を伝えて、今から自分の子どもと私の息子を連れて来ると言ってくれた。
しばらくして友達と友達の子どもが到着し、友達が『ごめんね、保育園の先生が、親じゃないと預かっている責任上、連れて行かせる訳にはいかない…って言われて、連れて来れなかった。でも、ちゃんと学校に避難しているから大丈夫だよ!』と安否を教えてくれて、本当に助かった。

不安になりながら、誰かがラジオを真ん中に置いてくれて、夜中なのか時間の間隔も分からなかったけど、ラジオの音だけが救いで、馴染みのある地名で200体の遺体が…というアナウンスが流れ、全く何が起こったのか分からなかったけど、大変な事態なんだと不安感だけが強かった。

毛布1枚が支給されたが寒くて眠れずに窓を見ていると、今度は爆発音が聞こえて、遠くの方が燃えていた。

誰かが『大火災が起きているぞ!』と言っていた。

その辺は、息子が避難した学校の近くじゃないのか!?
不安で不安で、保育園の先生を信じるしかなかった。

朝になり水が引いたようで、高台を降りて息子を迎えに行く事にし、消防士に伝えると『また津波警報が鳴るかもしれないけれど、自己責任で、気を付けて向かって下さい。』と言われた。

下に降りると、映画の中に入ってしまったかのような状態だった。

車が縦に積み重なっていて、船が道路にあったり、ビルに車が突っ込んでいたり、慣れ親しんだ地元の変わりよう、泣くよりもまだ、何が起こったのか理解していなかった。

息子の避難している学校に行く途中に自宅があった為、布団や食料、必要になるであろう物を背負って向かった。
この時は、車があれば…と思った。

学校に着き息子を探す。色々な人がいる中で、先生を発見!

息子と再会出来た。
息子は『お母さん、遅かったよ…』と言いながら、抱きついてきた。
先生には『お母さんは必ず迎えに来てくれると信じていました!』と言われて、私も『先生達を信じていました、すぐに迎えに行こうとしたけれど、ダメだと言われて…でも良かった!本当にありがとうございました!』と言い、電気が回復するまでは自宅にいるのは不安な為、避難所生活をしようと決めた。

津波の状況を知ったのは、その避難所で自家発電機とテレビを提供してくれた方のテレビを見た時だった。

あの頃の事を思うと、今でもハラハラする。

生かされた命、大事にしなければいけないと思う。