前世はきっと平安貴族

前世はきっと平安貴族

歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

「光る君へ」をこれまでただの1話も

観逃さずに来たが、モヤモヤが少しずつ

溜まって来ている。

 

何がモヤモヤって?

 

道長が「いい人」過ぎるんだよ~!

 

 

例えば

前回第16回では兄・道隆から

「お前、中宮大夫なんだから

しっかり仕事しろよ!」的な事を

言われていたが、

 

道長は疫病から民を守るために

奮闘しており、そのために本来の

業務が滞って道隆から叱責された

かのように描かれていた。

 

確かにこれ、現代の我々の感覚だと

 

そうよね~、優先順位はどう考えても

疫病対策が1番よね?

民の事を最優先に考える道長が

マトモだわ。

それに比べて道隆ときたら自分の

事ばっかり!

 

となるだろう。

 

しかし道隆の言い分はもっともなのだ。

内裏の放火事件が頻発しており、

帝や中宮に危険が及ぶのも立派な

非常事態なのだから。

 

道長に「しっかりせぃ!」

と声を荒げるのも当然だ。

 

 

史実でもこの時期、道長は

中宮大夫という役目を不服として

何かと業務を怠りがちだったという。

 

中宮定子は姪であったというのに

道隆の娘というのが気に入らなかったの

だろうか?

 

とにかくこの頃の道長の勤務態度は

よろしくなかった。

 

 

そうした史実をドラマでは見事に

「民を第一に考える立派な道長」

すり替えている。

 

 

思えば第1話からしてそうだった。

兄・道兼の理不尽な暴力にも

黙って耐える「出来た弟」。

 

そして民の暮らしを見ようと

わざわざ粗末な身なりをして

外出する。

 

何かと言えば民、たみ

 

兼家に「民の事など考えるな」と

言われても「でも・・・」と反論。

 

で、第16回では疫病で苦しむ人々の

中に率先して飛び込んでゆくという

まるでマザーテレサのような道長。

 

んなわけないっしょ~!ってあせる

 

 

まだあるぞ。

 

第15回「おごれる者たち」で

伊周と弓競べをしたシーン。

 

あの時道長はわざとヘタに打って

さっさと伊周に勝ちを譲ろうとした。

 

つまり、我侭おぼっちゃまの伊周に

比べて道長ははるかによく出来た

オトナなのよ、という対比だ。

 

しかし「大鏡」によると道長の

方が伊周に勝つ気満々で挑み、

矢が全てど真ん中に命中したという事だ。

 

その他のエピソードでも

道長がいかに負けず嫌いで

熱い男だったかという事を

物語っている。

 

 

 

 

まぁ、何回も的のど真ん中を射抜いたとか

若い頃から肝の据わった人間だったとか

そういうのは「勝者:道長」に追従する

人間が後になってこしらえた話だと思うので、

鵜呑みにするのもどうかと思うけど。

 

しかし何と言っても

あの兼家のを引いているからね。

 

道長だって相当な性格だった

事は充分考えられる。

 

 

 

「枕草子」には積善寺供養の話がある。

中関白家最盛期の栄華を伝える

エピソードだ。

 

道隆が盛大に催したこの法要で

スケジュールが大幅に遅れたのは

道長が原因だったらしい。

 

何でも、途中で着替えたからだとか。

 

あほか~!

花嫁さんのお色直しじゃ

ないんだよ!

 

これ絶対、嫌がらせだよな~。

中宮大夫のくせに中宮様をお待たせ

するなんてとんでもない話。

 

定子様は笑っていらしたとの事だが

私は釈然としない。

 

 

 

これから道長は権力の頂点に

昇り詰めるまで、さまざまな人々を

苦しめる行動をする。

 

伊周・隆家兄弟しかり、定子様しかり

特に三条天皇に対する仕打ちは

むごいのひと言だ。

 

なのに今、道長をこんなに善人に

仕立て上げてしまって、果たして

辻褄が合うのだろうか?

 

 

ドラマの道長は「入内が女人の幸福

とは思えん」などと言っていた。

 

その道長が将来、12歳の自分の娘を

無理矢理一条帝に入内させるのは

一体どういう理由からであろうか。

 

気が変わったのか?

 

もしかしたらこの先、道長に何か

とんでもないショックな出来事が

起こって、突然「権力の鬼」に

変身でもするのだとしたら、

それはそれで面白い。

 

いや、むしろそうでないと

史実との整合性が取れなくなるの

では?

 

と、要らぬ心配までしてしまう。

 

 

道長役の柄本佑はどちらかと

いうと無表情に見える。

何を考えているのか分かりにくい。

 

なので突如人格が変わる可能性も

無いとは言えないだろう。

 

 

すっかり変わってしまった三郎。

まひろは「源氏物語」を書く事で

仏教的な真理を必死に伝えようと

するが、冷たい権力者三郎の心には

届かない。

 

それどころか娘・彰子を啓蒙する

まひろに危機感を覚えた三郎は

ついにまひろを亡き者にしようと

その手にかけるのだった。

 

遠のく意識の中でまひろは三郎に呟く

「あなたこそが私の光る君でございました」と。

 

・・・「光る君へ」

 

 

な~んてね。

 

 

脚本家さんは一体これから

どんなストーリーを用意して

くれているのだろう?

 

本当に最後まで道長を

善人として描くつもり

なのか?

 

 

そのあたり、毎回楽しみに

観続けたいと思います。

 

だってねぇ、何だかんだ言っても

私の大好きなこの時代を作品化して

くれた事を、本当に感謝して

いるんですもの照れ