【職場は役割分担されたグループの集合体】
 他部署への依頼をするという事はよくあることです。私は医療系の専門職ですが例えば事務系の職員に質問をしたり、事務的な手続きの依頼をすることがあります。しかし、業務の中で他職種の方々を相手にして期待していた結果にならないことがあります。私も過去にイライラするようなケースがありました。「こんな簡単なこともできないのか」というふうに思ってしまうこともあるかもしれませんが、冷静になるべきです。確かに病院などでは表に出るのは専門職ですが、実際には事務部、医事課、設備、清掃など様々な職種の皆様に支えられています。これって本当は当たり前ではありません。

【相手を責めるよりも、育てることを大切に】
 熟練したマネジメントリーダーというものは、相手の仕事の背景も含めて十分に認識した上で状況判断し、他部者の職員であってもその成長を助けることの方が発展的です。失敗を責めるだけでは結局ネガティブな結果しか残りません。リーダーとして他者をチェックして批判するだけなら三流以下、助けて育てることができれば一流ではありませんか。そうしたら成長するのは助けられた者だけではなく、助けた者であり、そのチームであり、その施設と言えるのではないでしょうか。

【今日の仲間は明日も仲間】
 こういったことにはもう一つ重要な側面があります。私は他部署の人に対していつも笑顔で感謝の気持ちを伝えるようにしています。また、無理難題を一方的に押し付けたりせず、共に考えるようなスタンスで仕事を依頼するようにしています。またうまく応えてくれた時は、しっかりと賞賛の意思を伝えるようにしています。これも大事なことです。相手が熟練していても未熟であったとしても、これからも長く仕事をする仲間です。何かを依頼する時、もしくは交渉するときに、相手に敵意を持たせるようなことをしてはいけません。そうすると、次にその相手と一緒にする仕事はうまくいきませんよ。そりゃそうですよね。嫌いな相手のためにはあまり力など発揮したくないですよね、誰だって。だから、相手が誰であれ、同じ組織の仲間にも、部外者にも、そのように思わせてはいけないんです。設備の清掃をしてくださる人にも、消耗品を補充してくれる人にも寛容にかつ感謝の気持ちを伝えたほうがより良い仲間との関係をまた一つ作ることができます。何かあった時に助けてもらうのは自分です。

【ほんの少しのありがとうが職場を変える】
 現代においてどのような仕事もパソコンとそのソフトウェアがなければ成立しません。システムエンジニアが在籍していればシステムの不具合に対応してもらうことは頻繁にあります。
 昔、若いシステムエンジニアがいて、いろいろお願いするのですが、笑顔がなく、、、ちょっと言葉づかいも雑、、、。お願いした仕事に少し嫌悪感を持っているようにさえ見えました。だけど私が仕事をしていくのには、これからもずっと彼の仕事が必要です。とりあえず、彼が自分の仕事を終えて部屋から出る時に一声かけました。「ありがとう。SE(システムエンジニア)さんって忙しくて大変だよねー。一日中電話かかってくるんじゃない?これ持って行ってよ!」と伝え、いただきものの栄養ドリンクを2本渡しました。彼は笑顔を見せて帰りました。次に彼に仕事を頼んだ時は終始笑顔を見せながら仕事をしてくれました。説明も丁寧にしてくれて、、、もちろん私は満足です。これが、「ありがとう」の力。

【相手があなたと仕事をしたいと思えるなら次の仕事も必ず成功、、、いや楽勝】
 つまり、仕事の依頼や交渉が円満に、いやそれ以上にむしろお互いが笑顔で賞賛できる形で円満に終わるのならば、次にその人と仕事をする時も、きっと良い結果が残せます。この事はとても大切なことなので覚えておいてください。人の力をうまく使えることもリーダーに必要なことです。だって、今日の仲間は明日も仲間ですよね。