【企業風土】
 企業風土の話は、よく経営コンサルタントが話します。ここではハードとソフトの2つのカテゴリに分けて職場を考えます。ハード、これは目に見える仕組み、ルール、マニュアルなどのことを指します。一方でソフト、これは人の心の中にある価値観や集団の中で暗黙のように存在する習慣などのことを指す。このソフトの部分が風土にあたります。職場を管理する上で、目標設定とその管理をしたり、マニュアルやルールを作ったり、教育のカリキュラムを作るなど、これらは目に見えるものすなわちハードの部分である。このハードの部分を整備することはもちろん重要なのであるが、どんなに立派にハードを作り込んでも職員の気持ちがついてこなければ役には立たない。むしろ職員の価値観や気持ちなどソフトの部分が伴ってこそ、ハードの部分が効果的に機能する。そのために職場の風土が大切であると理解して間違いないです。
 
 
【風土を管理するという考え方】
多くの責任者がそれぞれ悩むことの1つが、この職場風土をどのように管理するのかという問題です。職員がバラバラの価値観を持って同じ目的に向かって協力できないような職場が管理しやすいはずは無いですよね。また、中間管理職というものは、施設と現場の間に挟まれて苦しい立場ではあるが、職場の中に価値観を同じくする仲間がいなければ職場の管理はできないです。よくあることである。例えば、2つの職場があったとして、全く同じ課題が提示され、動くとします。協力しあえる価値観や意識がある職場であれば、どのような課題もいともたやすく達成するが、協力しあえない職場、バラバラな職場であれば容易な課題でさえも乗り越えるのに苦労を要する。もしくは乗り越えることさえできないかもしれない。おそらく職場管理上の極意はこの風土を管理することにあります。
 
【風土が悪いことを他人のせいにしても意味がない】
このことに気がつかない責任者は辛い苦労を強いられます。あなたの管理する職場に職場の方針を理解しようとしない者や帰属意識が低い者が多くてあなたは困っているとします。職場の方針に従わない職員は確かに良くない、、、でも、そういった職員の存在のせいにして職場の風土放置しても、何も改善しませんし、さらに悪くなる可能性さえあります。自分でその状況を変えて、自分で望ましい職場風土を作りましょう。それができればどのような職場の責任者もできます。
 
【いわゆるリーダーシップが必要なのです。】
おもしろいもので、いわゆるリーダーシップを発揮できるとされている人は自然とこれができます。おそらく、経験上学生時代から部活動や生徒会などでリーダー的な役割を果たしてきて経験値が多いのかもしれせん。
逆に専門職として経験値が多くとも、冒頭で述べたソフトの部分つまり人の価値観などの管理が未熟な者が責任者になることもあります。それはリーダーシップも発揮できませんし、職場もまとまらない可能性もありますよね。専門スキルとリーダーシップは完全に別物です。
 
【では風土をどのように管理するか】
風土をどのように管理するのか?もちろん簡単ではありませんし時間もかかりそうですよね。人の価値観などは簡単に変えられるものではないですから、、、。私なりの戦略を簡単にまとめました。
 
 
①職場の風土がどうありたいのか?リストにして書き挙げる。これは基本的にソフトの部分の内容になります。
 
②①の内容について職場の中の信頼できる仲間と吟味して推敲する。
 
③職場の方針、目標、人材育成マニュアルなどに②の内容を記載する。必要に応じて部署のコアメンバーに変更の理由と内容を説明しておく。
④職場に③を周知する。
 
⑤その後に職場の中で起こる事案についてはできる限り③に振り返り判断や指示、指導をする。
 
ここでは簡単にしか説明していませんが、重要な事の1つ目はは職場の理念、方針、目標の中にあなたが思う、こうありたいと思う風土を作るための要素が入っている必要があること、そしてそれは説得力があり反論できない内容であること。重要なことの2つ目は職場運営上の判断や指示は方針や目標などに照らし合わせて説明し、逸脱した事案は決めた方針に則って誤りを指摘、指導すること、つまり、決めた方針を活用し何度も伝え続けることです。職場理念や方針、目標というものは、こういった人の心の中の価値観に同じ方向性を与えるものとして使うべきです。よく職場の中に、理念や目標が紙にプリントされて壁に貼ってあることがあるが、形骸化していないだろうか?ちゃんとこれからあるべき職員の価値観の方向性が示されているだろうか?最低限ここからスタートして職場の風土作りに取り組む必要があります。
 
ここまでの内容について、当たり前のことが書かれているように思う人もいるかもしれませんし、言葉にできるほど簡単ではないよ、、、と思う人もいるかもしれません。また、機会があればその辺もブログにアップしていきます。