【パワハラの火種はどこにもある】
 今日の話はパワハラに発展するような職場の雰囲気にちゃんと気づく必要があるという話です。この件は私も多くのリーダーや責任者の立場の方から相談を受けます。相談を受ける時にはすでに職場の雰囲気が悪くなり、離職者が多く発生してるような時点です。少々後手になっているような状況で相談を受けます。遅くはありません.対策としてできることを始めましょう.
 
  パワハラの火種とは何か。例えば組織の中で比較的入職歴や経験年数が上の者で、自分より立場の弱いものに対して感情的になって指導したり言う必要のない心ない一言が簡単に出てしまうような職員です。仕事をするためのマニュアルやルールにおいて、正しいことを言ってはいても、それを伝えるためのコミュニケーションが非常に稚拙で寛容になれず相手に嫌な思いをさせるような言葉を吐く職員のことです。これを聞くと、おそらく皆さんはそんな職員はどこでも1人ぐらいいると思うでしょう。
 
 何度も書きますが実はどの職場の中にもパワハラの火種は存在します。存在しない方がむしろ稀でしょう。これは仕方がないことなのです。組織が5人でも10人でも100人でも一定数の割合で、その組織の中にハラスメントの火種を持ち込む人間は必ずいます。最初に気づいておくべき事は、今述べた通り、どの組織にも必ずリスクは存在するんだという事実を認識することです。
 
【正しいことを言う≠正しい言い方をすること】
 パワハラは特殊な場合を除き、立場が強いものが弱いものに対して、性格的に強いものが弱いものに対して行います。加害者となる職員の多くは、言葉遣いや物の言い方について注意をすると、言い訳として相手が仕事を間違えたとか、仕事ができないということを必ず言ってきます。本来、仕事がうまくいかない事案が発生したのならば上長に報告し、職場の中でそれを適切に解決するべきです。そうですよね。誰も他者に対して叱責をしたり粛清をするような権利など個別の職員に与えてはいないですよね。正しいことを言うことと正しい言い方をすることはイコールではないのです。
 
【パワハラの重篤度】

  先に添付の資料を見ていただきたいのですが、パワハラの火種が段階的にパワハラ確定のレベルに進む過程をピラミッド型の図で示してあります。レベル1というのはパワハラには至らないレベル。しかしパワハラの火種が職場の中に見えるという状況です。基本的には全ての職場が最低でもこのレベル1の状況にあると考えるべきです。

 
 どのような企業においてもパワハラ対策をちゃんとしているかどうかということは後々大変な問題になります。本当に被害者がパワハラを訴えるレベルになった時、つまりレベル3の状況になった時、施設と部署の責任者はその対応に責任を持たねばなりません。また、基本的姿勢としてパワハラが発生することに対し、予防に努めてきたという事実も大事です。この予防に努めるということはピラミッドで言うレベル1の段階から既に動くべきこと、つまりすべての職場が基本的姿勢として常にパワハラ予防に動いているべきなのです。
 
【レベル1は予防が大事】
 このピラミッドにおいて、レベル1というのは、どこにでもあるような他者に対して不快な言動を投げかけるような職員がいるような状況です。多くの職場では多少の事は放置されている場合が多いです。しかし、レベル1の状況にも幅があり、レベル2に近づいていくほど職場の雰囲気は悪くなり、皆が安心して働ける状況ではなくなりつつあります。
 
【レベル2はすでに重篤】
 レベル2というのは不快な言動が増悪し正式にパワハラとならないかもしれないが準パワハラと言えるほどに深刻になるレベル、グレーゾーンであるが、黒に近い状況です。この状況では、例えば職員が離職する理由の1つとして、特定の職員の不快な言動が離職理由になることがあります。これは、具体的に組織に被害が発生していると言っても過言ではありません。せっかく組織が確保した人材が流出してしまうのですから。
 
【レベル3はもはや事故処理】
 レベル3になった時はパワハラが確定します。つまり、被害者が正式に施設にパワハラの相談や報告を正式に行うレベルです。レベル3に至った事案は責任者が各職員へのヒアリングを実施したり、相談されたハラスメント内容に対して適切に対応し状況把握に努め、施設に対し正確かつ十分な情報を報告する必要があります。施設はこれをもとにハラスメント対策委員会を開くなどし、相談事案がパワハラに該当するかどうかを決定します。この時、職場の責任者の管理が適切であったかも検討されます。施設としてパワハラを正式に認定した場合は、次に賞罰委員会などが開かれ、加害職員となる職員に対するヒアリングと処分の決定がされることになります。このプロセスは言葉にして書けばさらっと安易に思えるかもしれませんが、責任者として一連のパワハラの対応をすると、とてつもなく多くの労力と時間を割き辛い思いをするのは間違いがありません。それでも、被害者が受けたダメージをケアするために、誠心誠意、職場の責任者として役割を果たす必要があります。
 
【パワハラの対策として最初にやるべきこと】
 パワハラの対策について、さらに話し始めると膨大な量になりますので、多くは述べないのですが職場の管理のためには最低限最初にやっておくべきことがあるので、それだけ述べます。理由にかかわらず他者に嫌な思いをさせるような言葉遣いや態度をとってはいけないということを、職場の理念や方針の中に組み込んでください。教育のマニュアルでも構いません。そしてこれに反する行為はしっかりとレベル1の段階から監視しておいてください。皆さんの職場にも理念や方針、目標等が掲げられていると思いますが、その内容は充分でしょうか?もしくは内容が書かれていても形骸化していて、誰も見ない壁の張り紙になっていないでしょうか。パワハラを許さないという職場の理念や方針を明確に述べる事はとても大事です。言葉にして声に出し、文字にして伝えるというごく当たり前のことですが、パワハラを許さないという職場の方針は、ちゃんと職員の耳に心に届いているでしょうか。何度でもしつこく伝えてください。
 
 
【伝えなければ改善は始まらない】
 職場の理念や方針の中にパワハラを許さないというメッセージを込めて伝え続けること.これが,パワハラ対策のスタートラインです.