帯をとっておく癖があるんです。その時になんで書いてアピールしてたか気になるというか、時代を写しているといいますか。
たまたま本屋さんで見つけて怪しい雰囲気に惹かれて購入した、「ドラえもん」の藤子・F・不二雄先生が描いた異色作短編集。
カバーイラストの不気味さもさることながら、「ミノタウロスの皿」「気楽に殺ろうよ」というタイトルの禍々しさ。
「ドラえもん」とは全く違う、ダークで大人な物語が綴られています。
すこしだけあらすじをお話しますと
「ミノタウロスの皿」
遠い未来のお話…宇宙船の故障により、未知の惑星に不時着した男。幸いにも人間が住む惑星に着いたのはいいが、人間が食べる料理を「エサ」と呼んだり、牛が医者で、人間と同じように喋るなど、何かがおかしい…その惑星にはその惑星のしきたりがあって…
他にも「間引き」というお話は
地球規模での人口の爆発的増加により、食糧難の時代。日本では配給制度が復活しています。カロリー保険という保険まで売られるようになりました。しかし、これは単なる食糧という「物質」の問題にとどまらず、人が持つ「ある感情」の欠落につながっていくのでした…
他にも「劇画・オバQ」や「自分会議」など「うっ」させられる、息が詰まるような名作が勢揃いです。