ミラーの、一般生物体システム理論は、7つに分類されています。この分類方法には、依然と、議論の余地がありますが、精神医学の分野で関与するシステムを、ほぼ含んでいると言われています。


今日は、フィードバック円環について、考えてみます。

フィードバックは、円環関係を、モデルと、したものです。フィードバックは、2種類あり、ネガティヴ・フィードバックと、ポジティヴ・フィードバックがあります。ネガティヴ・フィードバックは、システムの状態を保持しようとするもので、ポジティヴ・フィードバックは、システム自体を破壊しようとするものです。


では、家族療法では、フィードバックは、どのような概論的枠組みを、担うのでしょうか。

AさんとBさんが、けんかをはじめると、Cさんが泣き出す」というのは、AさんとBさんが原因で、結果、Cさんが泣き出したように、見えます。

ところが、「Cさんが泣いたから、再び、AさんとBさんがけんかをする。そうして、Cさんが、また、泣き出す」というような循環を、悪循環と、いいますが、これは、AさんとBさんは、けんかをすることで、Cさんは、泣くことで、3人のシステムの状態を、保持していると、考えられます。これが、ネガティヴ・フィードバックです。


ポジティヴ・フィードバックでは、3人を、新しい行動様式へと導きます。

AさんとBさんが、けんかをはじめると、Cさんが泣き出す」

そこで、今までのように、「Cさんが泣いたから、再び、AさんとBさんがけんかをする」のではなくて、

Cさんが泣き出すと、Dさんが、Bさんを、なぐさめる」という、新しいシステムが、導入されたとします。すると、「Bさんは、Cさんを見守る」ようになり、「Bさん、Cさん、Dさんという新しい循環システムが導入されて、Cさんは、泣かなくなり、Cさんが泣かないことで、AさんとBさんは、けんかをしないですみます。昔の3人のシステムを、破壊してしまいました。これが、ポジティヴ・フィードバックです。


どうでしょうか?原因と結果だけを見ていると、Cさんを泣かして、AさんとBさんが、悪者になってしまいます。ところが、Aさん→Bさん→Cさん→Aさん…という、円環モデルを用いることで、3人のシステムを変化させてしまいました。これが、フィードバックの産物です。