それは1週間ほど前の出来事。
奴との出会いは宵闇迫る夕方だった。
帰宅した私とタクをそいつは待っていた。
しかも家の中で。
不法侵入…。
鍵はもちろんかかっていた。どこからどうやって入ったんだろう?
タクがドアを開けて玄関に入った瞬間固まる。
('〇';)
「お母さん!ゴ○(ピー)○○がいる!」
げげっ!聞きたくない名前。昔別れた男以上に耳にしたくない名前をタクが口にした。いやあ゛~ぁ!
なんで、ゴキ(ピー)○○がいるのー?
しかも廊下の白壁に張り付いて、私達をにらんでる。
タク「お母さん!やっつけて!」
タク逃走。母を置き去りにして逃走。寝室へ逃げ込む。
…と、言われても丸腰な私。どうすれば?
説得?ここは君の来るところじゃあない。出て行ってくれませんかあ?
でもね、奴は廊下の壁、私が玄関。「お前の方こそ出ていけよ」とばかりに不法占拠を嘲笑うように触角を動かしている。ぎゃ。
掃除機で吸っちゃう??
掃除機組み立てるまでに逃げられそう。
ハエ叩き?
白い壁にベチャっとなんかつきそう。白い壁に染み込むイメージ。ぎゃ。
しばし、奴と睨み合う。
そうだ!トイレのドアまで追い詰めて、バシッと叩こう。トイレのドアならツルツルしていて、なんかついても拭き取れる。
意を決して、ハエ叩きを取りに部屋に入る。奴を横目で睨みながら、そこを動くなよ、とつぶやきながら。
寝室で怯えるタク「やっつけた?」いや、まだ。「ひぇ~怖い~」
お母さんだって怖いのよ。やぶ蚊を叩くのとは訳が違う。
これから動体視力と反射神経と勇気りんりんを駆使して奴に立ち向かわなくちゃならん。
よし!いざ勝負!
げっ!…いない。
Σ(゜口゜;
…消えた。なわけ無い。
タク「やっつけた~?」
う、うん。大成功…。
私、嘘をつきました。<(_ _;)>
ダンゴムシさえ怖がる虫嫌いのタク。
家のどこかに奴がいると知ったら、パニクってややこしいことになるに違いない。帰宅拒否になるかも知れない。ぐれちゃうかもしれない。清く正しく生きるより、目先の生活の安定を取りました。
コソコソ夫にメールする。「ゴキブ(ピー)○ホイホイ買ってきて」
夫飲み会真っ最中。「遅くなるよ?売ってるかな。」と電話してきた。
いや、絶対探しだして買ってきて!何が何でも買ってきて!
今のマンションに入って9年目。その前の賃貸マンションでも、ゴキブリ(あ、もうピーはいいですね。)が出たことは滅多にありません。
気密性が高いからか、マンションの廊下でヨロヨロ歩く奴を見かけたことはあったけど、うちの中で見たのは3回目。9年間で3回。覚えているくらい遭遇の頻度は低い。しかもそのうち1回は死骸。
子供の頃、ゴキブリと同居してて、奴をフツーに見ていた私としては、奴が住み着いているんじゃなくて、訪問しただけなのは分かる。
いつもたまたま入った感じで、1匹見かけたら30匹はいるとかいう感じじゃなかった。
翌朝初めて見るゴキブリホイホイに、タクの疑惑が持ち上がる。
「お母さん、本当にやっつけた?(;¬_¬)なんでゴキブリホイホイ仕掛けてあるの?」
あ、あら、だって1匹だけとは限らないじゃない。念のためよ、念のため。おほほほほ。
うーん、奴はどこに隠れているんだろう。
毎日奴の姿が無いかホイホイチェック。トイレに入るときも、台所でもまたまた奴に会いそうで、ドキドキしながら1週間。
そして昨日。ついに涙の再会を果たしました。
( p_q)エ-ン
私と夫、朝は必ずシャワーを浴びてから出勤します。大抵早く家を出る夫、私の順番。
昨日に限って私が先にシャワーを浴びた。
何だか思い付いたように、運命に導かれるように、先にシャワーを浴びちゃった。
タクが赤ちゃん時代に使ったフワフワスポンジ。たまたま浴室の床に落ちていた。
保育園まで使っていたけど、最近では1人でお風呂に入って、垢擦りタオルでガシガシ洗うから使っていない。
もう捨てても良いな、と拾い上げようとしたら、バッチリ奴と目が合った。
スポンジの横っちょにしがみついた奴の触角が見えた。
うわぁーん。
いたー!会いたくないけど探していた奴がいたー!
風呂場をバタンと閉めてあわてて飛び出す。
夫はまだ布団の中。
「いた!いたいたいた!ゴキブリ!お風呂場!閉じ込めた!やっつけて!」
先に起きていたタク「え?また入って来たの?」
いや、この間逃がした奴!
タク「(;¬_¬)お母さ~ん。やっつけたんじゃなかったの?」
あ…。
すみませーん<(_ _;)>。ワタクシ、嘘をついておりました。
夫「う~ん。あと30分寝かせて~。風呂場閉めているなら良いじゃん。後で~」
いや、良くないよ。この間は数秒で逃げられたんだよ?
窓が無い我が家の風呂場。これで姿を消されたら、風呂桶の裏側とか、換気扇口とかややこしい場所に逃げられちゃう。
テコでも動きそうにない夫。リベンジのチャンスを逃がしたくない私。
立ち上がれ私。<(`⌒´)>
ハエ叩き?
奴はスポンジの横にしがみついている。ちょうど叩いてもスポンジにバウンドするだけの位置。
掃除機?
スポンジ吸い込んでてんてこ舞いになるのは目に見えている。
ひらめいた。レジ袋を虫取網のように膨らませて捕獲すれば良いんじゃん。
早速レジ袋を膨らませて、蝶々を捕まえるようにフワッとスポンジごとかぶせた。
ヤッターヾ(≧∇≦)〃!つ~かまえた♪
え?え~と、この後どうすりゃ良いんだ?
σ( ̄^ ̄)?
奴は手中におさめたけれど、レジ袋を押さえたままで動けなくなった私。透明なレジ袋だから、奴の姿が見えている。まだスポンジにしがみついたまま。1週間の逃亡で弱っているのか、スポンジに足がからまっているのか、潔く御用となったのかその場所は動かない。
夫が起きてくる30分間…私、このまま?
袋をしぼってスポンジごと奴を袋のゴキブリにすれば良いのは頭では分かる。でも気持ち悪すぎて踏ん切りがつかない。
で、下から画用紙を床に滑らせるように差し込んだ。ガムテープで袋の端を貼る貼る貼る貼る…。
朝から創意工夫の工作しているみたい。
東京ドーム?空気で膨らんでいるんだよね、確か、とか思いながら。
出来上がり。そのまま、さらに袋にいれて閉じる。
タク「今度はやっつけた?」
うん。今度は本当にやっつけたよ。
タク「え?見たい、見たい。♪( ̄▽ ̄)ノ″見せて~」
エエッ?Σ(゜口゜;
絶対逃げ出さない状況になったら、怖いもの見たさ?タクにとってはゴキブリも珍しい昆虫なんだ。
お子さまって奴は残酷なんだなあ。
私にとっての大捕物。30分後に起きてきた夫に話そうとしたら、「ふ~ん、今忙しいから」とバタンと浴室のドアを閉められた。く~!きけよ!私の武勇伝を!
そう言えば学生時代、青森の子が「こっちにきて初めてゴキブリ見た~♪」と感動していたな。
寒いところはゴキブリいないんだって。本当かな。
私は冬でもゴキブリ見ていた気がするけど、もう見たくない。
奴との出会いは宵闇迫る夕方だった。
帰宅した私とタクをそいつは待っていた。
しかも家の中で。
不法侵入…。
鍵はもちろんかかっていた。どこからどうやって入ったんだろう?
タクがドアを開けて玄関に入った瞬間固まる。
('〇';)
「お母さん!ゴ○(ピー)○○がいる!」
げげっ!聞きたくない名前。昔別れた男以上に耳にしたくない名前をタクが口にした。いやあ゛~ぁ!
なんで、ゴキ(ピー)○○がいるのー?
しかも廊下の白壁に張り付いて、私達をにらんでる。
タク「お母さん!やっつけて!」
タク逃走。母を置き去りにして逃走。寝室へ逃げ込む。
…と、言われても丸腰な私。どうすれば?
説得?ここは君の来るところじゃあない。出て行ってくれませんかあ?
でもね、奴は廊下の壁、私が玄関。「お前の方こそ出ていけよ」とばかりに不法占拠を嘲笑うように触角を動かしている。ぎゃ。
掃除機で吸っちゃう??
掃除機組み立てるまでに逃げられそう。
ハエ叩き?
白い壁にベチャっとなんかつきそう。白い壁に染み込むイメージ。ぎゃ。
しばし、奴と睨み合う。
そうだ!トイレのドアまで追い詰めて、バシッと叩こう。トイレのドアならツルツルしていて、なんかついても拭き取れる。
意を決して、ハエ叩きを取りに部屋に入る。奴を横目で睨みながら、そこを動くなよ、とつぶやきながら。
寝室で怯えるタク「やっつけた?」いや、まだ。「ひぇ~怖い~」
お母さんだって怖いのよ。やぶ蚊を叩くのとは訳が違う。
これから動体視力と反射神経と勇気りんりんを駆使して奴に立ち向かわなくちゃならん。
よし!いざ勝負!
げっ!…いない。
Σ(゜口゜;
…消えた。なわけ無い。
タク「やっつけた~?」
う、うん。大成功…。
私、嘘をつきました。<(_ _;)>
ダンゴムシさえ怖がる虫嫌いのタク。
家のどこかに奴がいると知ったら、パニクってややこしいことになるに違いない。帰宅拒否になるかも知れない。ぐれちゃうかもしれない。清く正しく生きるより、目先の生活の安定を取りました。
コソコソ夫にメールする。「ゴキブ(ピー)○ホイホイ買ってきて」
夫飲み会真っ最中。「遅くなるよ?売ってるかな。」と電話してきた。
いや、絶対探しだして買ってきて!何が何でも買ってきて!
今のマンションに入って9年目。その前の賃貸マンションでも、ゴキブリ(あ、もうピーはいいですね。)が出たことは滅多にありません。
気密性が高いからか、マンションの廊下でヨロヨロ歩く奴を見かけたことはあったけど、うちの中で見たのは3回目。9年間で3回。覚えているくらい遭遇の頻度は低い。しかもそのうち1回は死骸。
子供の頃、ゴキブリと同居してて、奴をフツーに見ていた私としては、奴が住み着いているんじゃなくて、訪問しただけなのは分かる。
いつもたまたま入った感じで、1匹見かけたら30匹はいるとかいう感じじゃなかった。
翌朝初めて見るゴキブリホイホイに、タクの疑惑が持ち上がる。
「お母さん、本当にやっつけた?(;¬_¬)なんでゴキブリホイホイ仕掛けてあるの?」
あ、あら、だって1匹だけとは限らないじゃない。念のためよ、念のため。おほほほほ。
うーん、奴はどこに隠れているんだろう。
毎日奴の姿が無いかホイホイチェック。トイレに入るときも、台所でもまたまた奴に会いそうで、ドキドキしながら1週間。
そして昨日。ついに涙の再会を果たしました。
( p_q)エ-ン
私と夫、朝は必ずシャワーを浴びてから出勤します。大抵早く家を出る夫、私の順番。
昨日に限って私が先にシャワーを浴びた。
何だか思い付いたように、運命に導かれるように、先にシャワーを浴びちゃった。
タクが赤ちゃん時代に使ったフワフワスポンジ。たまたま浴室の床に落ちていた。
保育園まで使っていたけど、最近では1人でお風呂に入って、垢擦りタオルでガシガシ洗うから使っていない。
もう捨てても良いな、と拾い上げようとしたら、バッチリ奴と目が合った。
スポンジの横っちょにしがみついた奴の触角が見えた。
うわぁーん。
いたー!会いたくないけど探していた奴がいたー!
風呂場をバタンと閉めてあわてて飛び出す。
夫はまだ布団の中。
「いた!いたいたいた!ゴキブリ!お風呂場!閉じ込めた!やっつけて!」
先に起きていたタク「え?また入って来たの?」
いや、この間逃がした奴!
タク「(;¬_¬)お母さ~ん。やっつけたんじゃなかったの?」
あ…。
すみませーん<(_ _;)>。ワタクシ、嘘をついておりました。
夫「う~ん。あと30分寝かせて~。風呂場閉めているなら良いじゃん。後で~」
いや、良くないよ。この間は数秒で逃げられたんだよ?
窓が無い我が家の風呂場。これで姿を消されたら、風呂桶の裏側とか、換気扇口とかややこしい場所に逃げられちゃう。
テコでも動きそうにない夫。リベンジのチャンスを逃がしたくない私。
立ち上がれ私。<(`⌒´)>
ハエ叩き?
奴はスポンジの横にしがみついている。ちょうど叩いてもスポンジにバウンドするだけの位置。
掃除機?
スポンジ吸い込んでてんてこ舞いになるのは目に見えている。
ひらめいた。レジ袋を虫取網のように膨らませて捕獲すれば良いんじゃん。
早速レジ袋を膨らませて、蝶々を捕まえるようにフワッとスポンジごとかぶせた。
ヤッターヾ(≧∇≦)〃!つ~かまえた♪
え?え~と、この後どうすりゃ良いんだ?
σ( ̄^ ̄)?
奴は手中におさめたけれど、レジ袋を押さえたままで動けなくなった私。透明なレジ袋だから、奴の姿が見えている。まだスポンジにしがみついたまま。1週間の逃亡で弱っているのか、スポンジに足がからまっているのか、潔く御用となったのかその場所は動かない。
夫が起きてくる30分間…私、このまま?
袋をしぼってスポンジごと奴を袋のゴキブリにすれば良いのは頭では分かる。でも気持ち悪すぎて踏ん切りがつかない。
で、下から画用紙を床に滑らせるように差し込んだ。ガムテープで袋の端を貼る貼る貼る貼る…。
朝から創意工夫の工作しているみたい。
東京ドーム?空気で膨らんでいるんだよね、確か、とか思いながら。
出来上がり。そのまま、さらに袋にいれて閉じる。
タク「今度はやっつけた?」
うん。今度は本当にやっつけたよ。
タク「え?見たい、見たい。♪( ̄▽ ̄)ノ″見せて~」
エエッ?Σ(゜口゜;
絶対逃げ出さない状況になったら、怖いもの見たさ?タクにとってはゴキブリも珍しい昆虫なんだ。
お子さまって奴は残酷なんだなあ。
私にとっての大捕物。30分後に起きてきた夫に話そうとしたら、「ふ~ん、今忙しいから」とバタンと浴室のドアを閉められた。く~!きけよ!私の武勇伝を!
そう言えば学生時代、青森の子が「こっちにきて初めてゴキブリ見た~♪」と感動していたな。
寒いところはゴキブリいないんだって。本当かな。
私は冬でもゴキブリ見ていた気がするけど、もう見たくない。