「新耳袋」の1巻か2巻に、著者のもとに小人や妖精を見たという報告が続々と寄せられるようになった。
妖精の大移動でも起きているのか?と書かれてあった。

数年後、タレントの渡辺徹が小さいオジサンを見た話をテレビで披露して以来、小さいオジサンがブームになった。

渡辺徹が部屋でくつろいでいると、換気扇が回転を始めた。見ると換気扇の中を小さいオジサンが走っていた。

テレビの後ろからゴソゴソという音がするので覗くと、小さいオジサンがテレビのケーブル線を引っ張っていた。


ベットで寝ていると、小さい侍がテーブルの上の苺をかじって立ち去ったなど‥‥‥。

渡辺さん、それネズミじゃないの?
ネズミが小人に見える何らかの幻覚病じゃないですか?
だとしたら奥さんの郁恵さんは大変だなと笑ってしまいました。

日曜日の朝。缶コーヒーを買いに行こうと起き上がった。顔の前に何かがあった。それは子蜘蛛だった。

子蜘蛛が天井から糸を垂らして、顔の高さまで降りてきていたのだ。糸は細すぎて見えない。

こんな小さい蜘蛛でも、こんなところまで降りてこられるのか。少し尊敬した。

子蜘蛛の少し上に白いモノが揺れている。
埃が蜘蛛の糸にくっついているのかと思った。
よくよく見ると、それは人の形をしていた。

その小さい何かは、ちゃんと両手両足があるようだッた。それは片手を見えない糸に、もう一方をクチに付けて、ターザンのように揺れていたのだ。

小さい人型が糸を揺らすたびに、下にいる子蜘蛛もプラプラ揺れる。
子蜘蛛からすれば迷惑以外のなにものでもないだろう。

小さい人型が調子に乗って糸を揺らすので、遂に糸が切れたらしく、子蜘蛛も小さい人型も視界から消えてしまった。

すぐ床に這いつくばって探したが、子蜘蛛も小さい人型も、ついに見つけることはできなかッた。 






ある日、自分の名前をGoogle検索してみた。

すると大学教授や社長をやってる人達のページが出てきた。

同姓同名でも、社会的に成功してる人もいるのか。なんだか複雑な気分だった。

一番最後のページは何だろうと気になった。

nextボタンをクリックし続けて最後のウィンドウを呼び出し、一番下のアドレスをUPしてみた。すると


【19XX 年・地球、日本、神奈川県に誕生

19XX 年○○高等学校卒業

その後、平均値よりも低い人生を送る

20XX年○月○日○時○分○秒 死亡】

このようなページが表示された。
同姓同名で同じ出身地、同じ生年月日の人がいても不思議ではない。しかし、○○高等学校とは僕の母校であり19XX 年は僕が卒業した年。その年の卒業生で僕と同姓同名者はいなかッたはずだ。

母校と同じ名前の学校が、他にもあるということなのか。それとも何者かが僕に対する嫌がらせをしているのだろうか?

死亡の欄だけ丁寧に秒数まで書いてある。
不愉快なのでウィンドウを閉じた。

あれ、いつ死ぬんだっけ?
いま見たばかりなのに、なぜかもう忘れていた。

気になってもう1度そのページを探したが、2度とそのページ見つけることはできなかった。

そのページはGoogleから忽然と消えてしまったのだッた。 







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