ららぶ~が遊びにきたよ♪



Bさんは兵庫県の海沿いの町に引越してきた。季節は夏だった。
日曜日の早朝、釣り竿を持って自宅近くの海岸まで出掛けた。
辺りはまだ薄暗かった。
海岸へ着くと先客がいた。
眼鏡をかけた50歳ぐらいの男性が、釣り竿を砂浜に差して当たりを待っていた。
Bさんもルアーを投げ込み、釣り竿を砂浜に差して当たり待った。

「この海はよく釣れますか?」
Bさんのほうから男性に声をかけた。

「ええ、けっこう釣れますよ」
男性が愛想よく答えた。

「でもね、この場所、どきどき高波が来るから注意せなアカンよ」
続けて男性がこう言ってきた。

「そうなんだ、ぜんぜんそんな場所には見えませんけど」
穏やかな波を見ながらBさんが言うと

「まあ、滅多に高波なんか来ないんやけど、そんで油断してたら去年、ワタシ高波に呑まれましたんや」

えッ!Bさんが男性のほうを向くと、そこには誰もいなかった。
男性が立っていた場所まで近寄ってみると、そこには釣り竿を差した穴だけが残っていた。
その穴も波にさらわれて、すぐに消えてしまったのだという。