15.過去




  背中の傷跡が物語るのは


  悲しい過去ではなく、戦火の記憶。



    悲しい時の涙の流し方なんて知らないから。


    悲しい時に流れていたのは生温い体液だけだったから。



  昼夜を問わず無意識に蝕まれる。



  夢が醒める前に、昨日を忘れておきたい。



  明日の僕が、僕でなくなってしまわないように。






















こちらのお題は「黒詩同盟」様よりお借りしております


黒詩同盟