冬らしい、刺すような風はもう姿を見せなくなってきた


少し前までは、白い雪すら降っていたというのに・・



学校までの道を歩く途中、普段と違う所に気付く


視界には、いつもより青が多く映っていた


見る景色が変わったのだ、と思いつつ、それを嬉しく思う


肌寒い頃は、顎を埋めて、首に風が当たらないようにして歩くものだったからだ


とはいえ、まだ息は白い…


フッ、と一つ、大きく息を吐いて歩幅を広める



わたしは寒さが苦手だ、しかし暑さは苦手ではない


だから、冬は嫌いだ…ということでもない


雪の白が景色を染めていくのは、なんとも気持ちがいいものだ


昔は、起きて外が一面雪だったら、妹と雪合戦をしたり雪だるまを作ったりした・・・


楽しかったな、なんて思ってしまったことに、寒さのため強張っていた表情を崩した



帰りの道は、行きよりも暖かかった気がする


当たり前だ、太陽は雲を纏うことなく、その勇ましい姿をこれ見よがしに見せつけている


あぁ、なんということだろう


なぜか、その時に考えてしまった


卒業、という言葉を最近よく聞いたからだろうか


もうすぐ、別れが来るのだと、自覚した


走馬灯とは、こんな感じなのだろうか


確かに、景色が頭の中をめぐる


ほんの一瞬だったろうか、一瞬であってほしい


誰にも気付かれないほど、一瞬であってほしい


わたしは、溜まった涙を乾いた風の所為にして、止まっていた右足を踏み出した