これは、私が高校生の時、担任の先生から聞いた話です。
先生が赴任してきて、すぐ受け持ったクラスの中に、情緒不安定な男子生徒がいました。
寮がある学校なのですが、その生徒は1ヶ月に2回は寮を抜け出す常習犯でした。
しかし、2~3日すれば必ず戻って来ていたので、そのうち先生も、寮生も「あぁ…またか」と捜す事もしなくなったそうです。
そんなある日、また彼が寮からいなくなりました。
それを知った先生は、「また、戻ってくるだろう」と気に留めていませんでしたが…
5日が過ぎ、さすがに心配になった先生は、捜索願いを出したそうです。
しかし…
彼は見つかりませんでした。
1年半が経ち、警察から「情報が寄せられたのですが…」と連絡があり、駆け付けてみると…
彼の家族も呼び出されていて…
警察官からもったいぶったように、1枚の写真を見せられたそうです。
その写真は湖のほとりで、キャンプをしている若い男女のスナップでした。
あきらかに写っている人物の中に彼はいません。
警察官は「じつは…」と1人の女性の肩を指して話します。
「コレなんです」
そこには、確かに彼にそっくりな顔がありました。
ただし…それは心霊写真で透けた青白い顔だけが、ボーッと写っているだけでした。
「警察がこんな悪ふざけを信じるんですか?」と先生は激怒したそうですが…
「かなり迷ったのですが…じつはここに写っている男女が全員、彼を……彼の霊を目撃したと言っているので……まぁ…ありえないとは思ったのですが、一応、確認頂こうと思いまして…」
そう言うと、すみませんと謝罪をして写真をしまいました。
結局、彼は今も行方不明です。
「彼は、どこかで生きていると信じている」と先生は話していました。
皆さんはどう思いますか?