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 【ワシントン=渡辺浩生】世界的な金融危機の克服に向け、ワシントンで開かれた緊急首脳会合(金融サミット)は15日午後(日本時間16日未明)、2日間の討議を終え、成長回復のために景気刺激の財政施策を活用するとした共同宣言と、各国が実行すべき具体策を盛り込んだ行動計画を採択し閉幕した。危機再発防止のため金融規制・監督や国際連携の強化を明記。各国が宣言や行動計画の進展を点検するため、来年4月末までに次回会合を開くことで一致した。

 日米欧の主要国に中国やインドなど新興国を含めた20カ国・地域の首脳が初めて参加した。

 共同宣言では、まず金融危機の原因について、「いくつかの先進国の政策・規制当局がリスクを適切に評価しなかった」点を認めつつ、背景には「一貫性と調整を欠いたマクロ経済政策や不十分な構造改革」の存在を指摘。金融危機が波及した新興国・途上国を支援するため、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の財源・機能強化を訴えた。

 また、危機再発防止のため「金融市場と規制の枠組みを強化する改革を実施する」と明記。国境を越えた資金の流れを監視するため各国規制当局の協調・連携の強化や、複雑な金融商品や格付け会社の監督強化などの原則を打ち出した。

 そのうえで、各国が実行すべき具体策を盛り込んだ「行動計画」で合意。来年3月までに実行すべき措置として、国境を越えて活動する大手金融機関への監督の枠組みの設立、主要国の金融当局からなる「金融安定化フォーラム(FSF)」の拡大などを列記。中期的には、現状規制されていない機関・商品・市場に対する監督強化、新興国の急成長による世界経済の比重変化を反映したIMF・世銀の抜本改革などを目指すとした。

 会合では、金融規制強化を主張した欧州と、規制強化に消極的なブッシュ政権の意見が対立したが、声明では「健全な規制の拡大」という表現で、規制強化のゆるやかな方向性を示した。一方で、米国がこだわる「自由市場の原則」や「保護主義の拒否」を確認し、「成長を阻害する過剰規制を回避する」とも明言した。

 議長役のブッシュ大統領は閉幕後、「成長志向の経済政策を促進すべきという共通の理解に達した」と述べ、「一定の原則を確立し、行動をとることで合意できたことが重要な成果」と強調した。

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 【ワシントン清水憲司】日米欧の先進国に中国、ブラジルなど有力新興国を加えた主要20カ国・地域による第1回緊急首脳会議(金融サミット)は15日午後(日本時間16日朝)、首脳宣言を採択し、閉幕した。宣言は、金融危機に歯止めをかけ世界不況を回避するため、金融監督に関する国際的な連携を強化するとともに、内需刺激のため財政出動で各国が協調する方針を明記。金融政策も含めた政策総動員体制で危機克服に臨む姿勢を強調した。

 金融サミットはまた、市場・規制改革の「行動計画」も発表。金融危機で市場混乱を増幅する要因にもなった格付け会社に対する監督手法の確立など、来年3月末までに実行する「当面の措置」を明示し、金融監督で新興国も含めた国際連携を強化する方針を示した。各国の対応を点検するため、4月末までに第2回会合を開く。

 首脳宣言は「主要経済国(先進国)で成長が大幅に減速している」と分析、新興国経済についても「世界経済減速の悪影響を次第に受けつつある」との認識を示した。そのうえで、「金融政策による支援の重要性を認識し、即効的な内需刺激の財政施策を用いる」と明記、各国が世界経済を下支えするため財政・金融政策で協調する姿勢を打ち出した。

 金融危機の原因に関しては「いくつかの先進国で市場監督・規制が金融技術革新から遅れた」と指摘、米国流の市場万能主義が危機を深刻化させたとの認識を表明。危機再発防止では「すべての金融市場、商品、参加者が適切に規制されることを誓約する」と、ヘッジファンドなども規制対象とする可能性も示唆。規制強化を訴えた欧州や新興国の主張に沿った内容となった。

 一方、国際金融システム改革では、金融危機で外貨不足に陥る新興国や途上国が相次いでいることを踏まえ、「国際通貨基金(IMF)や世界銀行が役割を果たすため十分な資金基盤を確保する」と明記。IMFの機能・財源強化を進める方針を示した。

 議長国のブッシュ米大統領は閉幕後の会見で「我々は危機克服に向けて多くの課題に取り組むことで合意した」と成果を強調した。

 ◇金融サミット首脳宣言骨子◇

・金融安定に向けあらゆる追加的措置を実施

・金融政策の重要性を認識。即効的な内需刺激の財政施策を活用

・IMF・世界銀行の十分な資金基盤を確保

・金融市場と規制の枠組みを改革。当局の国際連携を強化

・すべての金融市場・商品・参加者を適切に規制、格付け会社を強力に監督

・今後1年間は新たな投資・貿易障壁を設けない

・金融市場の改革・規制で行動計画を採択

・09年4月末までに第2回金融サミット。行動計画の実施状況を点検

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 先進国と新興国20カ国・地域(G20)が参加する金融危機対策のための緊急首脳会議(金融サミット)が15日閉幕し、景気刺激のため財政・金融政策で協調姿勢を取ることが確認された。今後、日本は欧米と協調して機動的な金融・財政政策を打ち出すことが求められる。だが、日本は先進国でもワーストクラスの長期債務を抱える一方、金利水準も低く、効果的な施策を打ち出せるほどの余力は残っていないのが現実だ。

 日本は、2兆円の定額給付を柱とする事業規模約27兆円の追加経済対策を土産に今回の金融サミットに乗り込み、景気下支えに最大限の努力している姿勢をアピールした。 米国発の金融危機は実体経済に波及。米国では基幹産業である自動車産業が大きな痛手を受け、泥沼の様相を呈している。外需に依存する日本への波及も深刻で、トップ企業のトヨタ自動車が平成21年度決算が本業のもうけを示す営業利益が前期比で約4分の1に減る見通しだ。企業業績の悪化が雇用や消費に広がり、さらに景気を悪化させる懸念は強まっている。

 景気後退の懸念は各国共通で、ドイツは総額500億ユーロ(約6兆円)、フランスも1750億ユーロ(約27兆円)規模の財政出動を打ち出した。中国は4兆元(57億円)大規模な景気刺激策を発表。米国でもオバマ次期大統領が1000億ドル(10兆円)規模の対策を検討中だ。1929年の金融恐慌の再来を指摘する声が強まる中で、「負の連鎖」を断ち切る上でも今回のサミットでは、協調した財政・金融政策の必要性をアピールする必要があった。

 だが、日本が打ち出した追加経済対策に対する国民の反応は冷ややかだ。民間シンクタンクなどは柱となる定額給付の成長率の押し上げ効果は0・1~0・2%程度しかないと分析する。むしろ財政悪化を懸念する声の方が強まっているようにもみえる。

 日本の長期債務は国と地方合わせて778兆円。景気低迷で税収増は見込めず、今年度の税収は大幅な落ち込みが確実だ。ユーロの統合で財政健全化を進めてきた欧州に比べても、新たな財政出動に踏み切る余力はない。

 金融政策も状況は同じだ。

 欧米が相次いで利下げに踏み切る中、日銀も歩調を合わせる形で10月末に政策金利を7年7カ月ぶりに0・2%下げ0・3%にした。しかし、すでに市中では1%台の低金利が続いており、住宅ローンの返済や中小企業の借り入れに与える影響はごくわずか。英中央銀行のイングランド銀行(ECB)が一気に1・5%も政策金利を下げたのに比べれば市場に与えるインパクトはあまりに小さい。

 日銀にとっては、次の政策対応で切るカードは少なく、金利政策で、欧米と協調的な歩調を合わせるのも難しい。

 財政・金融政策では、日本に致命的な影響が及ぶ前に欧米が立ち直るのを指をくわえて見守るしかないのが実情だ。財政・金融政策で協調路線がとれず、日本が世界から孤立しかねない懸念も高まっている。

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