以前作っていたハコと、
先日紹介した新しいハコ。
模様(透かし彫り)の入っている場所が変わったの、わかりました?
これは、お店で並べたときに、こっちの方が見やすいと考えて、
側面に模様を動かしました。
ただ、
並べる時にどうしても模様を前にして並べるので、
ソッチが正面かと思われると思いますが、
…実は違います。
木箱の正面は、
一般的には“木口(コグチ)”(木材の断面)の見えている方が正面になります。
正方形だと、特にわかりにくいですよね。
では何故、正面に模様を入れないのか。
それは、“茶道”で使われる茶道具の1つ、『茶箱』に通じます。
『茶箱』は、
以前にもブログの記事で紹介したかも知れませんが、
野点【のだて】(野外のお点前)などで用いる、
専用のひとまわり小さい茶道具を入れて持ち運ぶための『箱』です。
この箱は、実用的ながらも、美術品としての側面が濃く、
漆に蒔絵(まきえ)が施されていたり、
絵が描かれていたりします。
以前、学生の頃に茶箱を作った際、
「模様なんて、どこでもいいだろ。」と、
適当に模様を配置したところ、
「これはあかんで。」
と、お茶の先生にたしなめられました。
先生曰く、
「御茶箱の模様はな?お客さんを“もてなす”ためのものや。
自分が座って、正客(お客さんの代表のような方。)が右手に来らはるやろ?
せやから、お客さんからよう見えるように、模様は右手の側面に。
自分のお道具なんやから、自分も楽しめるように、正面にも模様が来るように。
お茶箱に模様を入らはるんやったら、それが定石や。」
ま、例外もありますが、このことを知って以来、
箱に模様を入れるときは、位置に気を配るようになりました。
今回は、「お客さんに、よーく見てもらえますように。」
という願いを込めて、側面にだけキリヌキ柄(透かし彫り)を入れました。
…たはー!
なぁにを言ってるんでしょうね。
ま。でも、例外として、正面の板に入れた方がカッコいいなー。と感じたら、
そっちにキリヌキ柄を入れることもあると思います。
それに正直なところ、
こんなこと言ってても“正面”とか、そんなに気にする必要はないと思っています。
だって、
「どっちが正面か。」なんて、持ち主の自由ですからね。
ただ、
私の桐箱を買ってくださったお客さんには、
せめて桐箱の基本的なことは知っておいてほしいなーと思いまして、この記事を書きました。
「正解」を知ってるのと知らないとでは雲泥の差ですから。
一応ね。
長文に最後までお付き合いくださってありがとうございますー。
「良いコト知ったー♪」
くらいに感じてくださったなら、
コレ幸い。
