雅紀side―
どんなに忙しくても、さおの病院へ行く時間は絶対に確保する。
じゃなきゃ仕事行かない!って…俺、こんな我が儘言ったの生まれて初めてかも。
数日間の僅かな入院生活。
それでも、一日目より二日目、三日目…
さおの笑顔が増えた気がする。
「もう…クスクス
こんなにたくさんどうするの?クスクス」
『だってさおが寂しくなったら困るじゃん?うっひゃっひゃ♪』
「加減ってものがあると思います。クスクス」
『はい…』
これ、前にもあったな…
懐かしくて…ちょっとだけ切なくなる。
こんなやり取りは日常茶飯事だった俺ら。
一瞬、記憶が戻ったんじゃないかと錯覚してしまう。
『さお、思いだ…』
言いかけて飲み込んだよ。
言ったらダメな気がしたんだ。
無理に思い出させちゃダメな気がする。
さおは優しいから頑張ろうとするもん。
無理しちゃダメだよ。
『ねぇ、DVD観てくれた?』
すぐに話題を変えたんだ。
退院出来るって聞いて本当に嬉しくて…
でも…
さおはどこに帰るんだろう…?って。
怖くて、自分から言い出せずにいた。
そしたらさ…
「あの…」
『ん…?』
「家…なんですけど…」
『うん…』
「私が…」
『うん…』
「その…帰っても…」
『うん…』
「相葉さんの部屋に帰ったら…迷惑じゃ…」
『何言ってんだよ!迷惑とかそんなの…』
「じゃあ…帰ってもいいですか…?」
帰ってもいいですか?って遠慮がちに聞くさおを目の前に泣きそうになるけどさ。
もう一度やり直そうって思ったから…
『当たり前じゃん?うっひゃっひゃ♪』
って笑ってみせたんだ。
退院当日、仕事で迎えには行けないけれど、仕事中もずっとソワソワして、落ち着かなくて…
ニノに‘ちょっとは落ち着いたらどうです?’って突っ込まれて…
だって早く会いたいんだもん。
収録が終わるとダッシュで着替えて、ダッシュで楽屋を出ようと…
〔あ、先生そういえば…クスクス〕
『えっ?何?俺急いでるんだけど?
』{あ~相葉くんさぁ~クスクス}
『えっ?翔ちゃんまで何?急いでるんだって
』ニノと翔ちゃんが楽屋の扉の前に立ち、ニヤニヤしながらどいてくれなくて


〔嘘ですよ。ククッ〕
{相葉くんお疲れ~フフ}
猛ダッシュで帰ったわけですよ

『ただいまぁ~さお~?』
って元気良く声かけてさ(笑)
いやぁ、テンションあがっちゃって(笑)
「お、お帰りなさい…」
何となく恥ずかしそうなさおを前に、抱きしめたいのを我慢するの必死だったぁ

「ご飯食べる?」
『作ってくれたの?』
「うん…///」
『食べる食べる!ちょっ、手洗ってくるわ。』
ずっと一緒に暮らしてきた俺ら。
付き合ってもうすぐ二年。
知らないことはないってくらいに色んなことを知ってるはず。
でも今は、何だか昔に戻ったみたいだな…
まるで付き合いたての初々しいあの頃みたいに…