『うっひゃっひゃっ!』
この独特な笑い声が好き

つられて私も「んふふ
」って笑うの。ピピピッ…ピピピッ…ピピピッ…
夢の中まで雅紀と一緒。
隣では本物の雅紀が眠ってる。
『ん…っ』
抱きしめられて…
もうちょっとこのままで…
いたい…
はっ!!最悪!!Σ( ̄□ ̄;)
今何時?
こんな日に限って寝坊した

目覚まし鳴った?

「痛っ!クッ…」
朝の慌ただしい時間帯。
早く出なきゃならないのに…

ゴミ箱に足の小指をぶつけてその場にうずくまる私

急いで…
「あっ…!」
ジャージャー…
洗面台の水道の蛇口から勢いよく流れる水に…
もう、最悪過ぎる…!!
コンタクト…流しちゃったよ…

仕方ない、今日はメガネで行こう。
雅紀はまだ眠ってる。
無邪気な寝顔…
ヤバい…可愛過ぎる…///
って…見とれてる場合じゃなかった


「行ってきます…チュッ
」今日も一日が始まった…
「おはようございます!」
一度、仕事モードに入ったら終始笑顔と決めている。
ビシッとアイロンのかかったシャツを着て、少しでも出来る女に近づきたくて…
疲れた顔をした女に仕事頼みたいと思う?
笑顔一つで仕事が回るならそれで…
女は組織という荒波の中で必死で生きているんだから…
今日は朝から大事な会議があって絶対に遅刻は出来なかったの。
ふぅ~ギリギリセーフ

あ、でも化粧が微妙…

後で直す時間あるかな…
会議が終わり次第加盟店さんへの挨拶回りと…ついでに新店舗の工事の進行具合の確認の為現場に寄って…
午後からはまた打ち合わせ…
‘遠山さん、こっちチェックお願いします’
「はい。」
今日も目まぐるしいスケジュール。
私はこの仕事について随分と経つ。
最初は履き慣れないパンプスを一日中履いて足から血を流していたりしてたけど…
今はこのヒールの高いパンプスが私の戦闘靴。
男ばかりのこの業界で、女だからとナメられないようにする為。
自分に気合いを入れる為。
それから…仕事に追われてついつい忘れてしまいそうになる‘女’としての大切な何かを守る為。
それがこのヒールの高いパンプスなの。
全身を戦闘服で固めて挑むある意味戦い…
ふぅ…
一日が36時間だったらいいのに…
“よう、遠山!”
「あ、お疲れ様です。」
“これから飲みにでも行っちゃう?”
「すいません、まだ仕事残ってるんで…」
“そっか、じゃあまた今度な~”
営業の増田さん。
仕事が残ってるとか嘘なんだけどね。
最近ちょっと言い寄られてて…はぁ…めんどくさい。
早く帰ろう…
帰って雅紀に癒されよう…
『ただいまぁ…さぉ~?』
あ…
一日の終わり…
玄関の方で雅紀の声が聞こえる。
先に帰っていた私はいつの間にかソファーでうたた寝してしまっていたんだけど。
仕事でくたくたに疲れた身体を起こして…
「お帰り~
」って出迎える。
「ん~雅紀~♪」
と、思わず抱き着く私。
雅紀だって疲れてる。
いや、私以上に疲れているのはわかってる。
でも…私は雅紀にこうして…
「抱っこ…
」こうして甘えないと…
『フフ…』って優しい笑顔の雅紀は私をお姫様抱っこしてリビングへと向かうの。
雅紀はあんまり怒ったりしない。
怒ったりカリカリしているのはいつも私だけで…
雅紀はいっつも優しいの。
雅紀と付き合うようになって気付いたこと…
【その1】
・自分がこんなにも甘えん坊だったってこと。
優しくて大きな心に包まれて幸せ

『今日は?何か楽しいことあった?』
眠る前の二人だけの時間に癒される。
大好きな大好きな雅紀。
ずっとこうして一緒にいられたら…それでいい…
んだよね…?