大野さんは何も知らされずに、みんなに嬉しそうにいずみさんからの手紙について話をしていた…
「返事…書いてあげてください…いっぱい…返事…」
『ん?そうだね…うん、返事いっぱい書くよ…』
急に話の輪に加わり、そんなことを言う私に不思議そうな目をしていたけど、大野さんはそれ以上何も言わなかった…
きっとそれ以来たくさん返事を書いていたんだと思う…
私もたくさん書いた…
何をどんな風に書けばいいのかわからないけど…とにかく何でも書いたの…
泣きながら…書いた…
何通目かの手紙のやり取りののち…
とうとう私は…
気付けば、いつの間にか携帯を手にしていた…
ディスプレイにはあなたの番号…
“呼出中…”
無意識に指が動いたの…
画面の文字が霞んで見えて…
プルルルル…プルルルル…
ガチャ…
『もしもし…?』
「ひっく…グスン…あの…うぅ…あの…グスン…」
自分でも何を言ったのか覚えていない…
真夜中に携帯を握り締め、私は…
ただあなたが来るのを待っていたんだ…
“今日の東京は物凄く寒いよ~。でもそっちはもっと寒いよね?風邪引いてない?そうそう、大野さんがね…”
テーブルの上の便箋は、そこで止まったままだった…