拡張型心筋症ねぇ…
ふ~ん…
狭心症って…
あの人一人じゃ、まんまと騙されるでしょうね…
どうするか…
パソコンの画面をじっと眺めてた…
万が一この予感が当たったら、私自分で自分を褒めてやりたいですね…
まぁ、今回に限っては当たって欲しくないってのが本音ですけど…
『亜希…こっち来て…?』
「ん…?どうしたの…?」
キッチンで食事の後片付けをしていた亜希を自分の膝の間に座らせ、後ろからキツク抱きしめた…
『亜希はちゃんと健康診断とかしてます…?』
「えっ?何?急にどうしたの…?」
『いや、別に…もう若くないんだし身体に気をつけないとって思って…』
「若くないとか余計だし…」
『具合悪いトコとかありませんよね…?』
「うん…大丈夫だと思うけど…」
『ならいいですけど…』
亜希の肩に顎を乗せ、再びパソコンの画面を眺める…
「何か心配ごと…?」
亜希が心配してこっちを向いた…
『亜希は心配しなくていいよ…』
「カズ…?私に何か出来ることある…?」
亜希で良かったと思える瞬間…
そのセリフ、今まで何回聞いたんですかね…?
亜希はそういうヤツなんですよね…
もし自分が大野さんの立場だったら…
まぁ私と大野さんでは考え方も性格もまるで違うんでアレですけど…
こういう時は案外あの人の方が強いのかもな…なんて…
「カズ…?ずっと傍にいるから安心して…?」
『フフ…それはこっちのセリフですけど…?』
「素直じゃないんだから…フフ」
『はい?ババァが何をあつかましい…』
当たり前に一緒にいられるわけじゃないんだ…
そこにはたくさんの奇跡と努力が存在する…
俺らにはそれくらい難しいこと…
哀しい思いをするのはもう十分だわ…
柄にもなく、少しだけ昔を思い出した…
今、目の前にある幸せを大切にしよう…
久しぶりに感じた胸の中のこの痛みを掻き消すかのように亜希の唇にキスをした夜だった…