急いで部屋に帰り、抱きしめたい気持ちを抑えて…
とりあえずどーしていいのかわかんなくて…
沙織さんをソファーに座らせて、俺は…
何て声をかけるべきか悩んで…
わかんなくて…
落ち着かなくて…
ソファーの前を行ったり来たりウロチョロして…
あ゛~!!もう!!!
『あのさっ!あの…その…だから…』
『…………不倫……してたの』
『…えっ?』
『私…3年前まで不倫してたの…この前…偶然会ったあの人なの…』
『…………』
『ずっと忘れたくて…3年経ってやっと忘れられそうだったのに…また偶然会ってしまったから…だから…』
『…………』
『さっき、急に彼が部屋に来て…離婚するからやり直さないかって…』
俺は…
沙織さんの過去を洗いざらい聞いたんだ…
『私は最低な女なの…だから…だから…相葉くんに…好きになってもらうような…そんな女じゃないから…』
彼女はずっと泣いてた…
俺…気の利いたセリフなんて言えないからさ…
『やり直そうって言われてさ…何て答えたの?』って…
『ねぇ…?今でも好きなの…?』って…
『何で部屋飛び出してきたの…?』って…
ストレートに聞いたんだ…
今、彼女にそんなこと聞くのは酷かもしれない…
でも大事なことなんだ…
『また…あの頃に戻りたいなんて思わない…もうこれ以上は無理なの…これ以上…彼と一緒にいたら…私…本気で…生きるのが嫌になる…』
『…………』
『やり直そうって言われて…押し倒されて…私…あの頃みたいにまた同じこと繰り返したくないから…だから…逃げてきた…』
『……そっか』
俺は、志村さんに連れられて初めて君に会った時…
君の笑顔にやられたんだよ…?
失恋の傷を癒してくれたのは君の笑顔だったんだ…
だからずっと笑ってて欲しいんだ…
泣いてる沙織さんなんてやだよ…
俺はその笑顔を守りたい…
『俺、沙織さんのこと好きだよ。沙織さんが俺のこと嫌いでも、俺は好きだから…俺が一緒にいたいから…好きになってもらうような女じゃないなんて言うなよ…』
過去は誰にだってあるんだ…
過去は消せない…
彼女のしたことは決して褒められるようなことじゃない…
だけど、人を好きになるのに理由なんてないんだよ…
たまたま好きになった人に奥さんがいた…
それだけのことだって…
二番目でも…
その先に未来がなくても…
一緒にいたいって…
そう思っただけだよね…?
もう十分彼女は傷ついてる…
きっとその心の傷を一生背負って生きていく…
もういいじゃん…
もう…十分だよ…