ドライブしながら色々話したんですけど…
優奈はずっと笑顔で俺の方を向いてて…
『そんなに俺の顔カッコイイですか…?』
『ん?うふふ…何それ?』
『さっきからずっと俺の方見てるからさ…』
『あっ!うふふ…ごめんなさい^^ 話してなかったですよね…私…左耳が聞こえないんです』
『…!』
『だから…左側から話しかけられてもわからないので…二宮さんの方を向いて一生懸命話を聞いてました^^ 決して見とれてた訳じゃないですよ…うふふ…』
『…そっか…何かごめん…気づかなくて…』
『あっ、でも見とれちゃうくらいカッコイイですよ…?二宮さん…^^』
『フフ…』
高校生の時…
父親と車に乗っている時に事故にあって左耳の聴力を失ったんだって…
その事故で父親は亡くなったんだって…
優奈は自分のことを色々話してくれた…
優奈の親父さんは建築家で…
あの日…
優奈と初めて会った日…
優奈が眺めていた大きなビルはお父さんが作ったんだって言って…
あのカフェも…
お父さんのビルが見えるから働いてるって…
正月の誰もいないあの場所も…
お父さんのビルを独り占めできる唯一の時間なんだって…
だからあの時、空を見上げながら誰かと話をしている様に見えたんだ…
事故にあって自分だけ助かったから…
この命はお父さんが守ってくれた命だから…
耳が聴こえないくらいどうってことないんだから…
いつも笑顔で頑張るんだって…
やっぱり優奈は笑顔で話すんですよ…
もう…
これ…
あとには引けないですよね…?
いつもは冷静な俺が…
久々に体に衝撃が走るくらい人を好きになった気がするんですけど…
やばいくらいに優奈を愛おしく思って…
車を停めて…
思わず優奈を抱きしめた…