今年も暑い日が続きますな。
我が家では24時間空調体制となって早3週間。 とはいえ健康を最優先。としたらここは家計優先で削るべきではないんです。
(省エネ的な見地では芳しくないですが今年は電力会社各社も同意見のようですね)
名古屋で家計…というキーワードから今日のテーマ。
私が嫌いになった言葉について。
お値打ち
愛知県民の大好きな言葉ですね。
私は死ぬほど嫌いです。
私も日本語の一つとして勿論言葉としては認識していたわ。でもあくまで元・司書としてはシソーラス(類義語。ネット検索や辞書検索などで欲しい情報が得られない時に置き代える言葉)の一つとしてしか認識してなかった。
古語や死語だと思ってたもの。
名古屋に暮らし始めてからはエブリデイですよ。
今となるとこの言葉を発する時の県民の顔を思い出す。嫌悪の言葉ですね。
とはいえ県外からビジネスで赴任する方にとってはこの言葉のおかげでかなりチョロい、というところもありますのでちゃんとご理解頂くと宜しいかと。
で、この言葉の解釈については辞書に出ている言葉と愛知県の解釈に少し違いがあるようなのね。
辞書では値打ちとは物品の価値(良さ、金額)を指す、或いは品評(値踏み)のような意味合いとされている。多少この特定地域の用法を加味しているようではあるね。
愛知県では
良いものは高値。良いものを安く買うことを「安物買いの銭失い」と対比するように崇高なもの、と考え
「お値打ちだがね」
と連呼しているわけ。
これツッコミ所が多くてね。
あくまで彼らの思う前提価値観が正とした上での美しさなので…
突っ込んでいきますよ。
前提、良いものの概念。
物の良し悪しを判断することを目利きという。目利き人はその良し悪しに応じて売価設定をする。即ち良いものは天井知らずで値段が高い…と言うのは競合のない世界の「たたき台になる基本の原則」だよね。
けど競合がいる場合戦略的に不採算な売価設定をすることもある。
例えば競合が多く買い替えサイクルの遅い家電のような耐久消費財の場合、他メーカーと一度競り負けると次自社製品が売れるのは10年後と言う可能性がある。今多少利益を削ってでもここは売りたい、という気持ちがある。
つまり製品グレードと価格が比例しなくなる製品を敢えて作るわけです。
競合A社が自社の廉価むけ商品bの同等品をウチより安く出してくるとしよう。そうなったらそこで値下げ競争をする事もあるが、廉価のシェアはA社に譲り、bより儲けの大きい、市場の大きい少し高値の普及帯cは利益を下げてでもAと勝負して取りに行くぞ、みたいな判断をすることがあるよ、という話です。
愛知県民のお値打ちはここを見落とします。
多分こういう戦略的価格設定がある、という事を知らないのかもしれない。
家電マエストロ、家電ソムリエの皆さまはスペック表と向き合ってお買い得モデルを探すわけです。ウチの家のサイズだとここクラスで、機能が…消費電力が…サイズが…だから経営判断的な事を知らなくてもベストな商品を買います。
愛知県民さんは少しでも頭を使わせようとすると面倒くさいしか言わないもの。…だからあんたら大卒採用の県外赴任者の部下から抜けられないのよ。わかる?日々努力して好んで成果の望める苦労をしなさい?
…まぁ話は戻して
県民さまは自分の目利きを鍛える気はないです。
なので何を基準にしているのか?
愛知県の良いものの前提;
メーカー希望小売価格こそ善良で絶対
これマジです。
カタログで最初のページにくるもの。カタログの比較で一番高いものが一番良いもの。コレを定価よりいくら安く買えるか(値引率)に腐心するのが愛知県民です。
一番高いものを買えば間違いない。
…多くの場合そうかもしれないけど
哀れ以外の何でもないと思ってます。
例えば家電。
一人暮らしでもオーバーサイズなものを買います。なんで?最上位モデルに一人暮らし用サイズがないから。
例えばクルマ。
悪路走行するわけでないのにランドクルーザーを買う。なんで?国産SUVで一番高いから。
必要性が無くてもフルオプション。
流石に寒冷地仕様まで付けるアホは見ませんがそれ以外は基本フル!
「フルオプションで100万円なのに◯万円引かせたぜ」
と得意げに言う姿をよく見ますが私個人的に計算すると自動車のオプション品の多くが元々販売店に対するボーナスみたいなもので利益率が異常なのよね。
さらに一個ずつ請けても利益が出るように一個一個に取り付け労務費が乗ってる。フルオプションにすると労務費かなり浮くの。
引ける前提で高値接待しているものを勘違いしているわけですわ。
なんで引けたんだろう…と考えてみようね?
予想できる回答をするので聞いてみると面白いですよ。愛知県民には「なんで?」をぶつけてみましょ。
逆のことを言うと愛知県民は「身の丈にあった」という言葉を知りません。
さっき言ったように考えれば過不足がわかるのに考えないから(考えないで良いように)一番高いものを買う。
とはいえ高級な何かを買い生活が厳しくなると服飾と食事を見すぼらしいほど、見るに耐えるほど節減します。
名古屋に来たばかりの頃私は彼らを見て
「見栄の文化の割になんでこんな事するの?」
と思っていたけど
結論ついたのは見栄よりお値打ちの方がリアクションが早くて強い、ということ。
見栄には悩む時間があるがお値打ちにはすぐ手を出す。結果後先考えず生活が苦しくなり見すぼらしことをする。
愛知に赴任するビジネスマンはここを上手く使うと入れ食いですよ。
「三つから選ばせる」というのは売れる営業の基本です。基本は選ばせているようで誘導するものでこのテクニックを使う売り方は普通ミドルモデルが売れるのだけど、名古屋では最上位モデルにしつこく値引きを求めてきて最上位が売れます。
これが彼らのお値打ち習性を使うところです。
彼らは最上位を一個下のモデルと同額、となると食指が即動きます。
なので、三択の真ん中はミドル…といいつつミドル帯で一番高いものを選定しておくの。そうすると最上位をミドルとあまり変わらない値段まで値引きさせた、という快感で簡単に契約します。
お値打ちとはそのプロセスの快感も入っているみたいです。
話を戻して
見栄っ張りの割に見すぼらし位ことをする。
つまりそうなることを予見できないわけ。
よく見るものとしてクラウンに乗ってグッチのバッグを持った男をよく見たらジャージにサンダル履き。それが激安スーパーに行くんですよ。
なんで?と思ったけどサンプルで何人かに聞いた限り車とバッグでもう生活カツカツなんでしょう。
関東なんかで見かける日頃から節約して良いものを買っている人はどこか一点を極端に落とすようなことしないですからクラウンで激安スーパーにきても最低限の身なりはしている。
「高級車から低所得者の装い」
は名古屋的ではないかと。
さていま激安スーパーの話をしましたけど、
ここで自己矛盾が出てくるわけです。
ローカルの情報番組を見ているとどこの地方も同じですがお買い得とか激安スーパーとかの話が出るわけです。
私が関東にいた頃はお買い得とは商人側が身を切るもの。利益還元的なものだった。
関西だと近江商人の三方良しがしっかり定着しているので生産者の無理のない協力値引と連動した値引が多いよね。
私が名古屋人死ぬほど嫌いなのはこの2地方の商売の美徳を侮辱することよね。
商売が一番うまいのは名古屋人だがね
と言い放つわけですわ。
名古屋の高収益商売の基本は仕入原価の圧縮と固定費の削減(家族経営etc)。
基本は仕入れ叩きと品質不良の大量買付。
激安スーパーの食材は見るに耐えないレベルの品質です。
例えば…
関東に展開する某スーパー。
「季節ごとに仕入れ先を買えることで品質を維持したまま原価を下げています、旬以外の商品は仕入れ値と品質が折り合わないので扱いません」
と店内に貼り出しをしてる。バイヤーの知見が生む安売りだよね。
実は愛知県のどのスーパーよりどの商品を比較しても未だ安かったし品質も良かった。
愛知県の激安スーパー行くと基本は規格外品やセリで最後まで残ったものをまとめ買い、或いは他の仲買人からもう一社くらい噛ませてない?そこの売れ残りじゃない?という賞味期限のものを並べている(鮮魚の場合店頭に並んだ日付と賞味期限の残日数を見ると水揚げ日からの逆算でこの商流を探れる)。
でもここでもお値打ち!
という訳です。
…高品質と言い張るか?
と私は思うの。
彼らの矜持は高いものを安く買うことが美学のはずなのにいまや「お値打ち」という言葉を聞けば自分の頭は一切使わず右に左に踊らされている訳。
この時の単位は個数単価の模様。
「何個入りだからお値打ち」という言い方をするわけで既に質より数の世界に陥っていることを見て見ぬ振りをしているのか、それとも気付いていないのか。
愛知だと品質競争が起こりにくい土壌なのでスーパーの生鮮食品は基本的にクソ不味いです。
埼玉にいた頃しこたま食べた緑黄色野菜は食わなくなりましたね。不味すぎる。
「ピーマン嫌いの子供とかよく描かれるけど何が嫌いなのかねー」
なんて言ってたけど愛知県産のまずいことまずいこと…。
私は県民さまのおっしゃるお値打ちはもはや瓦解してると思うの。自分で目利きしないでカタログの金額しか見ないとか、自分でやろうとしたら個数しか判断基準を持たないとか、もうダメでしょ?
トドメの話。
昨日買い物に出かけてたら名古屋市南区で
「おねうちパーキング」という名前の
コインパーキングを発見。
もはやこれはただ安いだけとしか思えませんが何の価値を見出したらいいのかしら?
どなたか教えて下さい。
