「あいまいな喪失」とは
 誰かや何かを喪失した確証のない
 不確実な状態のこと。

あいまいな喪失に向き合うことは
とても難しい、苦しいことだけれど
自分自身が
あいまいな喪失の状態にあることを
理解して
あいまいな喪失と
向き合っていくことが大切と
ポーリン・ボス氏は言っています。


① さよならのない別れ
 心理的に存在しているけれど
 身体的に存在しない状態

 津波で行方不明になる
 戦争で亡骸がないまま
 その死を知らされる など
 

② 別れのないさよなら
 肉体はあっても
 心理的に失われている状態

 認知症や精神疾患、依存症など
 そこにいるけれど、いない状態


人々は想像力、創造力を使いながら
あいまいな喪失によって
引き起こされるストレスに
対処しています。


そして、それらの体験によって
人々の対処する力、
レジリエンスが高まり、
結果として、
(心が)より強くなっていく。


例えば、東日本大震災後、
行方不明の方と話すための
電話ボックスが設置され
あいまいに失ってしまった誰かと
対話することで、
対処する人々もいる。


津波で子どもを失った母親が、
「子どもはどこかで、
  優しい女性に育てられている」
と考えることも
安らぎをもたらす
その人なりの対処方法。


有害な方法や考えでない限り、
専門家が介入する必要はないと
ボス氏は話しています。



インタビューでは
あいまいな喪失(ambiguous loss)を
不明確な喪失(unclear loss)とも
言っていました。


その人それぞれの
対処方法でいいんだよ、って
ボス氏が話されていて
なんだか
ホッとしました。



あいまいな喪失(ポーリン・ボス氏 インタビュー)


 “The Phone of the Wind”