独立してから3年ぐらいたったころ、今の仕事がだんだん軌道に乗ってきました。
大須にDEAL CHURCHをオープンしたころです。お金や時間にも少しずつ余裕がでてきて、少なからず満足感が出てきました。
でもそれと同時に大きな悩みが出てきました。何事にも中途半端だと思い始めたんです。
彫金の専門学校を出たわけでもない、革製品の製造会社で修行を積んだわけでもない。ましてはバリバリ営業職をこなしていたわけでもない。それにつけて高卒という学歴の無さからくる劣等感。
周りの取引先、税理士さん、銀行などからは「立派ですよ」と言われ始めましたが、釈然としませんでした。
そんなある日、懇意にしていただいていた取引先の社長に言われました。「何言ってるんですか?!DEAL DESIGNの創始者として一流じゃないですか!」
そう言われて初めて気づきました。
すべて一流である必要はないんです。もちろん専門職のすごさと言うのはジャンルを超えて尊敬します。アパレルのパタンナー、スタジオミュージシャン、Webデザイナー。
ただ独立して経営者としてやっていくには、全てのことをバランス良く出来ないと駄目なんです。物を生み出す力、それを宣伝する力、販売する力。シルバーの原型も作る、量産もする、ミシンも踏む。パソコンで営業文書も作るし、カメラで商品撮影もする。カタログも作るし、商品を持って営業にも行く。
時々、自分が何者かわからなくなるときがありますが、そのすべての作業と道具が大好きです。
もちろん俺も最初からできたわけではありません。誰もやってくれなかったから、自分でやるしか無かったんです。でもそれが今では大きな糧となっています。
何も知らないと「そんなの簡単にできるでしょ?」という一番失礼な発言をしてしまうんです。自分がなにも出来ないと「じゃあ、自分でやってくださいよ」という逆襲にも遭いかねません。
何事にもバランスが必要です。消費者金融のCMみたいになってしまいましたが (笑)
次回は・・・
終わらない話の終わりです。